大人になると歯が失われる珍しい恐竜、オーストラリアで化石が確認される
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オーストラリアで珍しい「歯のない恐竜」の化石が確認され、かつて生息していたことが明らかにされた。
ティラノサウルスなどの親戚
その恐竜とは「エラフロサウルス」の仲間で、今から1億1000万年前に生息していたと考えられている。
この名前は「足の速い(足取りの軽い)トカゲ」という意味とされ、ティラノサウルスやベロキラプトルなどの親戚と考えられるという。
確認された化石は大きさが、わずか5cmほど。2015年にビクトリア州にある街、Cape Otway付近の発掘現場で発見されたそうだ。
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大人になると歯が失われる
この「エラフロサウルス」の化石はオーストラリアで最初に発見されたもので、メルボルン博物館が毎年行っていた発掘に参加していたボランティアのJessica Parkerさんが見つけたという。
当時、化石は空を飛ぶ翼竜類の一部と考えられたが、その後メルボルンにある Swinburne 大学の研究者が調査をした結果、繊細なつくりの「エラフロサウルス」であることが判明した。調査にあたったStephen Poropat博士は次のように述べている。
「エラフロサウルスは長い首を持ち、小さな手の太くて短い腕があり、比較的な軽量な体をしていました。(略)ほとんど知られていないエラフロサウルスの頭蓋骨からは、幼い頃には歯がありましたが、大人になると歯が失われており、角のようなくちばしに置き換わっていたのです」
今回、発見された「エラフロサウルス」は、化石から体長が2mと考えられているが、タンザニアや中国、アルゼンチンなどで発見されているものは、体長が6mに及ぶという。
またオーストラリアの「エラフロサウルス」には、まだ歯がないことは確認されていないが、今後頭蓋骨が発見されれば明らかになると考えられている。(了)
出典元:BBC:Elaphrosaur: Rare dinosaur identified in Australia(5/18)