アマゾンの森の奥から数万点の岩絵を発見、氷河期時代の動物が描かれる
南米アマゾンの森から、古代人が描いた数え切れないほど多くの岩絵が発見され、注目を集めている。
コロンビア南部で昨年、発見
その岩絵が発見されたのは、コロンビア南部にある「Chiribiquete国立公園」内とされている。
岩絵は今から1万1800年前から1万2600年前に描かれたと見られ、人間のハンド・プリントや氷河期時代の馬、マストドン、巨大なナマケモノ、植物、鳥や魚、トカゲ、マスクをした人間、馬の尻尾など数万点が描かれていたという。
実は、発見され調査が行われたのは2017年から2018年にかけてで、『失われたアマゾンの王国』というドキュメンタリーを撮影するために、今まで秘密にされてきたそうだ。
高い場所にも隙間なく描かれていた
この岩絵を発見したのは、イギリスのエクセター大学のJose Iriarte教授が率いる、コロンビア人とイギリス人の合同研究チームとされている。
岩絵は壁の表面で見つかったのだが、不思議なことに高い場所にも見られ、しかもほぼ隙間なく崖の表面に描かれていることが、さらに謎を複雑にしているという。
これを描いたのはシベリアからベーリング地峡を渡って、新天地に入ってきた旧石器時代の狩人たちと考えられているが、木や幻覚を誘発させる植物なども描かれていたそうだ。
ただしこのような植物などを描くのは特に驚くべきことではなく、アマゾンの人々にとって動物や植物は魂を持っていると考えられているとか。
それらの非人間たち(動物や植物)は、儀式や岩絵に描かれていたようなシャーマニズムの実践を通して、協力的または敵対的な手法で人間と関わり、コミュニケーションを図るという。
反政府組織が支配するエリア
研究者たちは今後も、このエリアで調査を続ける予定だが、「Chiribiquete国立公園」は最近まで反政府軍事組織の「FARC」が支配する場所で、すでに政府と休戦をしているが、調べ尽くすには時間がかかるとみられている。
今回の岩絵は、「古代のシスティーナ礼拝堂(バチカン宮殿にあり、ミケランジェロの「最後の審判」が描かれている)」と呼ばれており、考古学の世界を変える可能性を秘めているという。(了)
出典元:Good News Network:Incredible Cave Paintings 8 Miles-Long Discovered Deep in Amazon Forest: The Sistine Chapel of Ancients(12/1)
出典元:BBC:Amazon rainforest rock art depicts giant Ice Age creatures(12/3)