インドネシアで暮らすサルが、人から物を盗み、エサと交換する方法を習得
インドネシアでサルが人間の物を盗み、その価値を推し量り、食べ物と交換する方法を習得しているといった研究結果が発表された。
バリ島で暮らすカニクイザルを観察
この研究を行ったのは、カナダのLethbridge大学や、インドネシアのUdayana大学の研究者たちだ。
彼らはバリ島のUluwatu寺院周辺で暮らす、カニクイザルを、2015年から2016年の間、273日間も調査。さらに2019年にもさらなる観察を行ったという。
その結果、カニクイザルが人間からバッグや帽子、サングラス、タブレット端末、携帯電話などを盗み、それを身代金として、エサと交換する方法を学んでいることが明らかとなった。(現実には、以前からこのような行動が知られていたとの報道もある)
どのアイテムの価値が高いかを理解
研究によれば、カニクイザルの大人は知能が高く、どのアイテムが人間にとって価値が高いかを理解しているという。
そして電化製品などを盗んで、それと等しい価値の食べ物を与えられた時にだけ、製品を手放すそうだ。
実際に研究者たちは、カニクイザルが観光客を見つめ、ひっそりと接近し、製品を奪い、その後適切なものが提供されるまで、そばで待ち続ける姿を撮影してきたという。
またサルは年齢と共に物々交換する能力が向上し、年長のサルほど「優先的に」より価値の高いアイテムを選択した。今回の研究論文は科学誌「Royal Society」において発表されているが、その著者は次のように述べている。
「価値に基づく交換物の所持と、亜成体(大人になり切っていない)および成体(大人)のサルによって拒絶され、受け入れられた食物報酬の量または質との間には、明確な行動的関連がありました」
またこれは、研究の一環として観察されたサルにおいて、「経済的意思決定プロセス」を示唆した最初の例と考えられている。(了)
出典元:KCTV:Macaque monkeys at a Bali temple can spot expensive items to steal and ransom for food( 1/14)
出典元:Royal Society:Acquisition of object-robbing and object/food-bartering behaviours: a culturally maintained token economy in free-ranging long-tailed macaques(1/11)