巨大な翼のようなヒレを持ったサメ、白亜紀のメキシコ湾に生息
白亜紀に生息していた、翼のようなヒレを持ったサメの化石についての、研究結果が発表された。
2012年に発掘され、研究が進められる
その化石が発見されたのは2012年、場所はメキシコの街、Vallecilloにある発掘現場とされている。ここは、非常に保存状態の良い化石が、多く発掘される場所として知られているという。
その化石の完全な標本は、その後フランス国立科学研究センターに所属する国際的な古生物学者の研究チームによって、分析が進められたそうだ。
そして研究結果が3月19日に、科学誌「Science」において発表された。
9300年前にメキシコ湾で生息
このサメはイーグルシャークの仲間で、「Aquilolamna milarcae」と呼ばれ、今から9300万年前にメキシコ湾の海域に生息していたと考えられている。大型のエイが出現する、遥か前の時代だ。
体の長さは1.65m。オニイトマキエイ(マンタ)のように、翼を連想させる長くて薄い胸ビレを持っており、それを広げると長さは1.90mになるという。
このサメは新種とされ、発見者らによって新しい「科」が作られたそうだ。
歯が小さく、プランクトンを食べていた可能性
「Aquilolamna milarcae」はまた、ジンベイザメやイタチザメなど、ほとんどの遠洋性のサメに典型的な、よく発達した上葉を備えた尾ビレを持っていたという。
そして口は大きいが、歯は小さいように見える(または、ほとんどない)ため、プランクトンを食べていたと考えられている。
また解剖学的な特徴から、この魚がサメとエイの両方を組み合わせた外観を備えていることも明らかとなった。
実は科学者はすでに、白亜紀の海で、プランクトンを食べる大型の魚の唯一のカテゴリーを特定していたという。
それは大型の硬骨魚(pachycormidae)のグループで、現在すでに絶滅しているが、この発見のおかげで科学者は、2番目のグループ、すなわちイーグルシャークが白亜紀にも存在していたことを知ることができたそうだ。(了)
出典元:CNRS:Discovery of a ‘winged’ shark in the Cretaceous seas(3/18)