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マレーシアで以前、新しいコロナウイルスを検出していた可能性があるとして、その研究結果が発表された。（アイキャッチはイメージ：SARS-CoV-2）

2018年に肺炎患者から検出

その調査を行ったのは、アメリカのDuke大学医学部の研究者たちだ。

5月20日に学術誌「Clinical Infectious Diseases」に発表された内容によれば、2018年にマレーシアで科学者が、複数の肺炎患者から新しいコロナウイルスを検出していたという。

ただしそのウイルスが病気を引き起こすものなのか、または他の人間に感染させるかどうかについては、明らかになっていない。

患者の多くは農村に住む子供

そのコロナウイルスは「CCoV-HuPn-2018」と名付けられ、おそらく犬などの動物から人間に感染したと考えられている。

ウイルスのサンプルは2017年から2018年にかけて、マレーシアのSarawak州（ボルネオ島）にある病院に入院していた、複数の肺炎患者から検出されたという。

患者たちの多くは、農村部に住む子供たちで、彼らは頻繁に飼育されている動物（家畜）や、野生動物と接触していた可能性があるそうだ。

実際、サンプルのゲノム解析結果から、このウイルスが犬から、あるいは猫などの中間的な宿主を経由して感染した可能性が高いと考えられている。

また新しいコロナウイルスは、SARSと同じように、最近の人獣共通感染を示唆する独特な遺伝的特徴を持っていたらしい。

第8のコロナウイルスの可能性

これまで人間に感染するコロナウイルスは、7つほど発見されているという。

そのうち「HCoV-229E」「HCoV-NL63」「HCoV-OC43」「HCoV-HKU1」は普通の風邪を引き起こし、「SARS-CoV」と「MERS-CoV」、そしてCovid19を引き起こす「SARS-CoV-2」が特定されている。

そして今回のウイルスが病原体だと正式に確認されれば、人間に感染する8番目のコロナウイルスになる可能性があるそうだ。

今回のウイルスは、患者のうち8人の気道からのみ分離され、患者に病気を引き起こすことはなかったとされている。

また研究者らは、このウイルスがパンデミックを引き起こす危険性はないとしながらも、他の類似した犬用コロナウイルスの流行状況や病気を引き起こす可能性について、さらなる研究を求めているという。（了）

出典元：INDEPENDENT：Scientists detect new coronavirus in pneumonia patients in Malaysia that has ‘likely made jump from animals’(5/21)

出典元：SCMP：A new coronavirus that usually infects canines is found in a pneumonia patient in Malaysia(5/20)