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ISSにおいてチリペッパーの栽培に初めて成功、宇宙飛行士もタコスを味わう

ISSにおいてチリペッパーの栽培に初めて成功、宇宙飛行士もタコスを味わう
Twitter/Megan McArthur

アメリカ航空宇宙局(NASA)は10月29日、国際宇宙ステーション(ISS)において、初めてチリペッパー(トウガラシ)の収穫に成功したと発表した。

 

植物における微生物の働きを分析

 

NASAによれば、このチリペッパーは「ハッチ・チリ(エスパニョーラ改良型)」と呼ばれ、ニューメキシコ州南部の「サンディア・チリ」と州北部の「ランドレース・チリ」をかけ合わせて作られた品種だという。

 

これは今年の7月にISSに運ばれ、以来「Plant Habitat-04」の実験として栽培を進め、宇宙における植物の微生物の働きについての理解を深めるため、分析研究が進められてきたそうだ。

 

そして先日、初めてこのチリペッパーの栽培に成功し、無事に収穫できたことが発表された。

 

NASA
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他の野菜に比べ育てるのが難しい

 

NASAによれば、ペッパーは他の野菜などに比べて、最も栽培が難しいという。

 

理由は、発芽から成長、実がなるまでに時間がかかるためで、ISSのツイッターアカウントも「これまでで最も困難な植物実験の1つだった」と投稿している。

 

またこのチリペッパーは収穫後、実際に食べられ、食感や栄養についての乗組員の評価が行われた。今年の4月からISSに滞在している宇宙飛行士のMegan McArthurさんも、次のようにツイートしている。

 

「収穫の後、赤と緑のチリを味わうことができました。その後、アンケートに答えました。最後に、これまでで最高のスペース・タコスを作りました。ファヒータビーフ、水で戻したトマトとアーティチョーク、そしてハッチ・チリです!」

 

現在も白菜やレタスを栽培

 

NASAによれば、すでにISSでは白菜や3つのタイプのレタス、ロシア産の赤いケール、ジニアの花などを栽培しているという。

 

またある種のチリペッパーは、受粉しやすく、二酸化炭素が豊富な環境の中で生存できる利点があるそうだ。

 

そしてペッパーには、重要な栄養素が含まれており、ビタミンCの優れた供給源となっているとか。また植物は頑丈で、微小重力下でもうまく育つ可能性があったという。

 

このためNASAは2019年、宇宙飛行士が火星に持っていける作物を探すために、「ハッチ・チリ(エスパニョーラ改良型)」をISSで栽培すると発表した。(了)

 

 

出典元:NASA:Plant Habitat-04

出典元:NASA:Space Station Science Highlights: Week of October 25, 2021(10/25)

出典元:MailOnline:NASA has successfully grown and harvested green peppers on the ISS and one astronaut made TACOS with them(11/1)

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