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2050年までに認知症の患者が3倍に増加する可能性、科学者が予測

2050年までに認知症の患者が3倍に増加する可能性、科学者が予測
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このまま対処をしなければ2050年までに認知症の患者が3倍に増加するという研究結果が発表された。米ABC Newsなどが伝えている。

 

認知症の危険因子をもとに予測

 

この研究を行ったのはアメリカ・ワシントン大学などの研究者たちだ。

 

彼らは新しい数理モデルを使用し、改善可能な4つの認知症の危険因子(肥満、喫煙、高血糖、低学歴)に焦点を当てて分析。

 

その結果、各国が認知症のリスク要因に迅速に対処しない限り、世界の認知症患者数が2050年までに5700万人から1億5300万人へと3倍近くに増加し、米国での患者数は520万人から1050万人に増加すると推定した。

 

この研究結果は1月6日に、科学誌「Lancet」において発表された。

 

増加率が国や地域によって異なる

 

世界保健機関(WHO)によれば、認知症は現在、世界の死因の第7位を占めているという。また高齢者の重大な身体障害につながる認知症関連のコストは、2019年に世界で1兆米ドル(約110兆円)に達すると報告している。

 

また今回の研究では、認知症の発生率が世界各地で異なる割合で上昇すると予測。高所得のアジア太平洋諸国は増加率が最も少なく、サハラ以南のアフリカ諸国は増加率が最も大きいと予想している。

 

研究論文の共著者であるワシントン大学IHMEのテオ・ボス教授は、声明で次のように述べている。

 

「特に低・中所得国は、教育や健康的なライフスタイルを優先するなど、将来の認知症リスク要因を軽減できる国家政策を今から実施すべきです」

 

「新しい洞察を与えるもの」

 

無論、今回の予測研究でも、データが不足しているなどして限界がある。またこの研究では、血管性認知症やアルツハイマー型認知症など、異なる危険因子を持つ認知症のサブタイプは区別していないという。

 

研究論文の筆頭著者であるワシントン大学健康指標評価研究所のエマ・ニコルズ氏は、次のように述べている。

 

「本研究は、国レベルだけでなく世界規模での認知症の予測を改善し、政策立案者や公衆衛生専門家に、入手可能な最善のデータに基づいてこれらの増加要因を理解する新しい洞察を提供するものです」(了)

 

出典元:ABC News:Dementia cases may triple globally by 2050: Study(1/7)

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