パプアニューギニア沖で驚くほど美しいクラゲを撮影、研究者の関心も集まる
南太平洋のパプアニューギニア沖で、あるダイバーが珍しいクラゲの映像を撮影し、研究者の間で関心を呼んでいるという。
3、4匹のクラゲを目撃
この映像を撮影したのは、パプアニューギニアのニューアイルランド州カビエンで、「スキューバ・ベンチャーズ」という会社を経営するドリアン・ボーチャーズ氏だ。
この地域で20年以上ダイビングをしているボーチャーズ氏は先日、海に潜って3、4匹の珍しいクラゲを見たが、その複雑なディテールと、水中を見事に移動していく姿に衝撃を受けたという。
その後、ボーチャーズ氏は映像をフェイスブックに投稿。また南アフリカにいる妻にも、映像を送ったそうだ。
This footage by Scuba Ventures in Kavieng, Papua New Guinea, shows one of the rarest animal sightings in the world: a Chirodectes maculatus, an incredibly rare genus of box jellyfish which had only been sighted once before.@Rainmaker1973
— Erik Solheim (@ErikSolheim) July 30, 2022
研究者は新種の可能性を示唆
さらにこの映像は、クラゲの専門家であるリサ・アン・ガーシュウィン博士が共同設立したプロジェクト「Jellyfish」にもアップロードされたという。
ガーシュウィン博士は「これを見た瞬間、正直なところ、興奮を抑えるのがやっとでした。椅子から落ちそうになりましたよ」と述べている。
ガーシュウィン博士は当初、この映像が、数十年前にグレートバリアリーフで発見された謎のクラゲ、「キイロデクテス・マクラタス(Chirodectes maculatus)」の2度目の目撃例だと考えていたが、現在はこの「壮大な」生き物が新種であると考えているという。
映像だけでは分からない
一方、オーストラリア・グリフィス大学の海洋生態学者で、クラゲを専門とするカイリー・ピット教授は、新種である可能性はあるが、映像だけではわからないと指摘している。
彼女は「確かに今まで見たことがない」と言いつつも、研究者がその種を確かめるには「その動物を手に取る必要がある」とし、「標本が手に入り、遺伝子検査と相まって、その形態を説明できれば素晴らしいことです」と述べている。
またジェームズ・クック大学の毒物学者で、オーストラリアの毒性動物を専門とするジェイミー・シーモア教授は、このクラゲが「キイロデクテス・マクラタス」であるとするガーシュウィン博士の当初の説を支持しているという。(了)
出典元:The Guardian:‘Magnificent’ jellyfish found off coast of Papua New Guinea sparks interest among researchers(8/4)