犬たちが飼い主のストレスの匂いを感知、嗅覚テストで判明
犬たちが人間のストレスの匂いまで嗅ぎ分けられることが、嗅覚テストで証明されたという。
700回のうち650回以上で嗅ぎ分ける
この研究を行ったのは、アイルランドのクイーンズ大学ベルファストなどの研究者たちだ。
彼らは、飼い主によって連れてこられた4匹の犬に対し、3つの香りの容器から1つを選ぶように訓練したという。
そして700回の試行のうち650回以上で、ストレスを受けた人から採取した汗や息のサンプルを嗅ぎ分けることに成功したそうだ。
被験者に数学の問題を解いてもらう
この研究では、36人のボランティアの被験者に、難しい数学の問題を解いてもらい、その前後に、自分のストレスレベルを報告してもらったという。
その後、犬が嗅ぐ容器には、問題を解く前と、解いた後、つまり血圧と心拍数が上昇した時の汗と息のサンプルが入れられたそうだ。
そして4匹の犬「トレオ」と「フィンガー」「スート」「ウィニー」は、「ストレス」のサンプルの前でじっと立っているか、座っているかすると、ご褒美としておやつをもらえるように訓練されたという。
その結果、かなりの確率で、ストレスを受けた人のサンプルを見分けることができるようになったそうだ。
人間の心理を嗅ぎ分けるものではない
そもそも犬たちの非常に敏感な匂いの検出能力は、すでに薬物、爆発物、特定の癌、糖尿病、さらには新型コロナを含む病気の検出に使用されているという。
ただし今回の研究について、主任研究員のクララ・ウィルソン氏は「私たちの心理状態の違いを(犬たちが)嗅ぎ分けることができるという証拠はあまりありません」と述べている。(了)
出展元:BBC:Dogs can sniff out stress on owner’s breath(9/29)