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チョルノービリ原発付近に生息していたカエルの多くが、黒っぽい色をしていた

チョルノービリ原発付近に生息していたカエルの多くが、黒っぽい色をしていた
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ウクライナにあるチョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所付近に住んでいる多くのカエルが、黒っぽい色をしていることが明らかにされた。

 

野生動物保護区に指定

 

1986年4月に起きたチョルノービリ原子力発電所の事故により、大量の放射性セシウム137が飛散し、ウクライナの大部分とノルウェー、イギリスの一部にまで到達したという。

 

無論、原発付近に住んでいた住民は避難し、その後原発の敷地内は立ち入り禁止区域となり、野生動物保護区に指定されたそうだ。

 

そして事故から36年後、科学者たちはこの地域の野生動物たちが、高レベルの放射線に適応しているかどうか、どのように適応しているかを調査。その結果、敷地内付近のカエルの多くが黒っぽい色をしていることを突き止めた。

 

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立ち入り禁止区域内のカエルが黒い

 

そもそも放射性同位元素はDNAに衝突して損傷を与え、これにより遺伝子に変異が生じる可能性がある。

 

このような突然変異は、癌や奇形児、死亡の原因になったり、次の世代に受け継がれて突然変異を引き起こしたりする可能性もあるという。

 

そして遺伝子変異の一部が、この地域に住むアマガエル(Eastern tree frog :Hyla orientalis)の皮膚の色を明るい緑色から、黒色に変える原因となった可能性があるそうだ。

 

実際に研究者によれば、チョルノービリの立ち入り禁止区域内に生息するアマガエルは、区域外のカエルに比べて背面の皮膚の色が著しく暗かったという。

 

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事故当時、現場に近かったカエル

 

そもそも黒い肌の色は、メラニンと呼ばれる色素によって作られ、皮膚や毛に存在するメラニンの量によって、人間を含む多くの動物の色が黒くなると考えられている。

 

またメラニンは、太陽の光に含まれる紫外線の害を軽減するのに重要な物質で、同時に原子力発電所から放出される電離放射線の有害なエネルギーを吸収し、その一部を放散することにより、DNAを保護する働きも持っているそうだ。

 

今回の研究によれば、黒い皮膚は実際には、カエルが組織や細胞、DNAの損傷から身を守るための適応反応の結果であり、それによって生存の可能性を高めていることが考えられるという。

 

この考えに沿うように、研究者は最も黒い皮膚を持つカエルが、事故発生時に爆心地に最も近く、放射能汚染が最もひどかった場所にいることを発見した。

 

しかも黒い色調は、カエルが「現在」生息している場所の放射能汚染のレベルとは関係がなく、むしろ事故当時最も汚染された地域内、またはその近辺に生息するカエルに典型的な特徴になっていたそうだ。

 

このため研究者らは、この黒い色が放射能汚染による遺伝子変異の結果ではなく、事故当時、肌の色が濃かったカエル(通常はその集団の中では少数派)が、メラニンの保護作用でより長く生き残り、優勢になったのかもしれない、とも考えている。(了)

 

出展元:Forbes:Chernobyl’s Radiation Turned Its Local Frogs Black(10/2)

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