新型コロナに再感染すると、臓器不全や死亡の可能性が高くなる:米ワシントン大学調査
新型コロナウイルスに感染する回数が2回以上になると、最初の感染時より臓器不全を起こしやすくなり、死亡する確率も高くなることが大学調査でわかった。
4万人以上の複数回感染者を調査
調査を行なったのはアメリカ・ワシントン大学医学部の研究者グループ。彼らはアメリカ退役軍人省が管理する医療データベースを利用し、新型コロナに複数回感染した約4万1000人の患者の病状を調査。それを、1回しか感染していない44万3000人の患者の病状と比較した。
同大学によれば、退役軍人省の医療データベースは幅広い年齢、性別、人種の患者をカバーしているアメリカ最大のシステムなのだそう。
複数回の感染者のほとんどは、2回か3回目の再感染者だ。ごく少数が4回感染しており、5回以上の感染者はいない。
調査結果は、同大学のニュースリリースに簡潔にまとめられている。それによると、総合的に見て「新型コロナに再感染(2回〜4回)した患者は、1回目の感染患者と比べて死亡する確率が2倍になり、入院に至る可能性は3倍になる」とのこと。
また、2回目以上の感染者は肺機能障害を起こす率が3.5倍に、心臓に障害を起こす率が3倍に、脳に問題が起こる率が1.6倍に高まるのだそう。
1度感染したからといって安心できない
研究グループのリーダーであるZiyad Al-Aly医師は、ニュースリリースの中でこう言っている。
「最近の数ヶ月間、新型コロナに感染した人や、ワクチンのブースター接種をした人の間に、いわゆる無敵感のようなものが生まれています。特に、感染済み、かつ、ワクチン接種済みの人たちは、そうだと言えます。こういう人たちには超免疫がある、という言い方さえ出て来ています」
しかし、決して安心はできない。Al-Aly医師はこう続ける。
「私たちの調査結果から言えることはこうです。2回目、3回目、4回目の感染では、感染後30日間の急性期やその後数ヶ月の後遺症が現れる期間に、健康上のリスクが明らかに増えます」
2回目の感染で無事に回復しても、3回目でアウト、の可能性が高まるということだ。やはり予防するに越したことはなさそうだ。(了)
出典元:Washington University School of Medicine in St.Louis:Repeat COVID-19 infections increase risk of organ failure, death(11/10)
出典元:New York Post:Repeat COVID infections could be deadly: study(11/10)