全世界の精子数が減少中:大学調査
このところ、世界中の男性の精子数が顕著に減少しているという。研究者たちは、人類存続の危機が近づいているのではないかと懸念している。
53カ国の男性のデータを集計
調査を行ったのは、イスラエル・ヘブライ大学のHagai Levine教授(公衆衛生学)を中心とする国際的な研究チーム。
彼らは、過去に発表された223の論文から、男性5万7000人の精液のデータを抽出し、精子数と精子濃度について調べた。男性の国籍は53カ国にわたる。
Levine教授の研究グループは、2017年にも同様の調査を行っており、その調査では北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアで、男性の精子数が減少傾向にあると明らかになっていた。
今回の調査では、この減少傾向が著しく加速していることがまず分かった。さらに、南アメリカ、中央アメリカ、アジア、アフリカの国々でも、男性の精子数が減少していると判明した。
世界的に精子数が50%以上減少
Levine教授は調査結果をまとめて、このように言う。
「これまでの46年間で、世界の精子数が50%以上減少したことが分かります。これは顕著な減少です。特に近年はそれが加速しています」
精子数の減少や精子濃度の低下は、2000年以降にその度合いを増し、スピードアップしているとのこと。
こうなった理由は今のところはっきりしていない。だがLevine教授は近年の研究を参考にして、「ライフスタイルの変化や、環境の中にある化学物質が、胎児に悪影響を与えている」からではないかと考えている。
胎児の生殖器系が作られる際に何らかの問題があると、成人してからの生殖能力に障害が出るそうだ。
精子数の減少が世界的な傾向だとなると大問題だ。「我々は冗談にならない難題を抱えているのです。このままだと、人類の生き残りが難しくなってくるのです」とLevine教授は言う。(了)
出典元:Metro:Sperm count decline is a ‘global crisis’ threatening humanity(11/16)
出典元:euronews:Sperm count drop is accelerating worldwide and threatens the future of mankind, study warns(11/15)