人工子宮の中で赤ちゃんを育てる施設…不気味なコンセプト動画が公開される
YouTubeに、多くの赤ちゃんが人工子宮で育てられる、ちょっと不気味な動画が公開されている。
科学的研究に基づいた動画だと主張
このコンセプト動画を制作したのは、映画プロデューサーでバイオ・テクノロジストのハシェム・アルガイリ氏だ。
彼は人口減少に対処できるような技術について議論を始めるために、リアルな人工子宮施設の動画を作ったという。
動画はあくまでもコンセプトにすぎないが、アルガイリ氏は「世界中の研究者が行った50年にわたる画期的な科学的研究に基づいており、このような出産ポッドは、今からわずか数十年後に普及する可能性がある」と述べているそうだ。
母親の子宮をリアルに再現
この施設は「EctoLife」と呼ばれ、動画はコマーシャルのようにこの施設を紹介していく。
動画にはまず、透明なポッドの中に、数百人の胎児が座っている姿が映し出される。このポッドは温度調節が可能で、酸素と栄養を供給するための「へその緒」を備えているという。
また施設には75のラボがあり、それぞれに最大400個のポッドが設置され、AIが母親の子宮の状態をリアルに再現するように設計されているそうだ。
ポッドにはカメラやセンサーが搭載されており、胎児に遺伝子異常がないかを継続的にスキャンし、成長過程を全体的に監視。親にはアプリが配布され、ポッド内の赤ちゃんのライブ映像が再生され、生体反応も表示されるという。
しかも人工子宮の中で流すメッセージを録音したり、赤ちゃんのための音楽のプレイリストを作成したりすることもできるそうだ。
遺伝子操作でカスタマイズも可能
またナレーターの説明によれば、この人工子宮を使ったプロセスでは、体外受精を利用し、親は「最も生存可能で遺伝的に優れた胚」を選ぶことができるという。
このため癌やその他の病気で、子宮を摘出した女性や不妊症のカップルでも、自分の子供を持つことができると説明している。
さらに胚は遺伝子操作によって、体力や遺伝性疾患の除去などの形質をカスタマイズすることも可能だとか。
しかも分娩のプロセスは、両親がポッドのボタンを押すだけ。やがて中から羊水が排出され、人工子宮が開き、両親は初めて赤ちゃんを抱くことができるという。
最後にナレーターは「EctoLifeは、安全で痛みのない出産の代替手段を提供し、ストレスなく赤ちゃんを出産できるようにします」と説明している。(了)