ポテトの形をした小惑星が地球を無事に通過、詳細な観測が行われる
珍しく細長い形をした小惑星が地球を通過し、同時に観測が行われ、新たな事実が明らかになった。
2月3日には安全に通過
その小惑星とは「2011 AG5」。長さが幅の3倍以上もあり、ポテトのような形をしているという。
2月3日には、地球から約110万マイル(約180万km)も離れた地点を移動し、安全に通過したそうだ。
この距離は月と地球の5倍弱とされ、小惑星が地球に衝突する危険はなかったという。
サイズや自転速度、表面の詳細を観測
この時、南カリフォルニアにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)の科学者たちは、「2011 AG5」を詳細に追跡。
「ゴールドストーン太陽系レーダー」を使い、この小惑星のサイズや自転速度、表面の詳細など、貴重な観測を行うことができたという。
観測の結果、「2011 AG5」は長さが約500メートル、幅約150メートルで、エンパイア・ステート・ビルと同じ大きさだったそうだ。
また自転速度が遅く、完全に回転するのに9時間かかることが確認され、小惑星の両半球の一方に大きく広い凹みがあったとか。
2040年まで地球との接近遭遇はなし
小惑星「2011 AG5」は2011年に発見され、今回、詳細に観察する初めての機会が得られると同時に、太陽の周りをどのように回っているのか測定できたという。
「2011 AG5」は621日に一度、太陽の周りを回っており、2040年まで地球との接近遭遇はなく、その際も月までの距離の約3倍にあたる約68万マイル(約109万km)を、安全に通過することが明らかになった。
この小惑星は、惑星レーダーで観測された1040個の地球近傍天体の中で、最も細長い天体の1つとされている。(了)
出典元:METRO:A potato-shaped asteroid came within 1,100,000 miles of Earth(2/20)
出典元:NASA JPL:NASA’s Planetary Radar Captures Detailed View of Oblong Asteroid(2/17)