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イギリスで、皮膚癌と診断された人数が、過去最高を記録したという。

メラノーマの患者が年間1万7500人

「英国癌研究協会」によると、イギリスではすべての年齢層でメラノーマ（悪性黒色腫：ほくろの癌）の患者が年間1万7500人に達し、記録が始まって以来最も多くなったという。

特に55歳以上の高齢者の間で増加しており、罹患率は1990年代から195％も上昇しているそうだ。

実際に1993年から1995年にかけて、55歳以上の人々は、10万人中21.3人がメラノーマと診断されたが、2017年から2019年にかけては10万人中62.9人に増加した。

皮膚癌が増加した原因とは？

この原因について「英国癌研究協会」は、次のように述べている。

「55歳以上のメラノーマ罹患率の増加は、日焼けした肌を好む傾向や、皮膚癌に対する認識が高まる前の1960年代に流行った、格安パッケージ旅行ブームと関連している可能性が高い」

また人口の増加や高齢化、変化に気づいた時に肌のチェックを受ける人の増加など、他の要因も関係している可能性があるという。

その上で「英国癌研究協会」は、すべての年齢層において、メラノーマの皮膚癌症例は今後20年間で約50％増加し、2040年までに年間2万6500件に達すると推定している。

死亡者数は減少傾向

しかし、患者数の増加にもかかわらず、この病気による死亡者数は減少しているそうだ。

また早期診断と早期治療をより多く行えば、これまで以上に多くの人々が皮膚癌を克服できるようになるという。

ただし「英国癌研究協会」の最高責任者であるミシェル・ミッチェル氏は、次のように語っている。

「より多くの人々が、より早く皮膚癌の治療を受けるようになり、生存率が向上していることは有望なことですが、この病気の症例が今後数年間で急増する可能性があることは憂慮すべきことです。メラノーマはイギリスで5番目に多い癌であり、これらの皮膚癌の86％は予防できることがわかっています。（略）癌を早期に発見できれば、大きな違いが生まれます」

「英国癌研究協会」によれば、年に1度日焼けをするだけで、皮膚癌発症のリスクは3倍になるため、リスクを減らすためにも、対策を講じることが重要だという。（了）

出典元：The Guardian：Skin cancer cases reach record high in UK with sharp rise among older adults(7/7)