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46万年前に人類の祖先が作った?最古の木の遺物をアフリカの岸辺で発見

46万年前に人類の祖先が作った?最古の木の遺物をアフリカの岸辺で発見
University of Liverpool News

アフリカのザンビアとタンザニアの国境を流れる川の岸辺で、人類の祖先によって加工されたとする木製の遺物が発見された。

 

丸太を切り、刻み、削った痕跡

 

それが発見されたのは、国境を流れるKalambo川の岸辺で、ここには約50万年前に、ホモサピエンスとは異なる人類の祖先が暮らしていたと考えられている。

 

この木の遺物はシンプルな構造だが、鋭利な石器で2本の丸太を削って作られており、通路や足場の一部として使われていた可能性があるという。

 

丸太に刻まれた跡からは、遺跡で発見されたさまざまな石器で丸太を切り、刻み、削ったことが示されていたそうだ。

 

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今回の調査に当たったイギリス・リバプール大学の考古学者、ラリー・バーハム教授は、次のように語っている。

 

「最初に見た時、これは本物とは思えませんでした。この木と石は、高度な創意工夫と技術力、そして計画性を示唆しています。(これらの丸太は)歩道の一部かもしれないし、プラットフォームの基礎の一部かもしれない。台は、薪や食料を乾燥させておくための保管場所として使われたかもしれませんし、座って何かを作る場所だったかもしれません」

 

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ホモ・ハイデルベルゲンシスが作ったか?

 

イギリスのAberystwyth大学の研究者は、この遺物が少なくとも47万6000年前に作られたと推定した。

 

その結果、この地域に住んでいた現生人類の前身である、「ホモ・ハイデルベルゲンシス」によって作られた可能性が出てきたという。

 

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今回の発見は、2019年に行われた調査により見つかったもので、その際研究者らは、約39万年前のものと思われる「土を掘るための棒」も発見したそうだ。

 

またその他の木製品として、楔(くさび)のような物や、罠の一部と思われる切り込みのある枝、両端が切断された丸太などもあったという。

 

そもそも木の遺物は、長期にわたって残ることはめったにない。しかしカランボ滝(川)で発見されたものは、水に浸った堆積物により、酸素に触れない状態で保存されていたそうだ。

 

そのため今回の丸太は、これまでで最も古い木製の遺物だと考えられている。(了)

 

出典元:The Guardian:‘Oldest wooden structure’ discovered on border of Zambia and Tanzania(9/20)

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