上り坂なのに下ってしまう、中国の不思議な観光名所
中国・遼寧省に不思議な坂がある。観光客を呼ぶために作られたこの坂では、重力の法則が通用しないようだ。例えば、ボールをそこに置くと、下り方向でなく、上り方向に転がっていくという。
自然が生んだ驚異の斜面
「怪坡」(坡は日本語の「坂」あるいは「斜面」の意)と呼ばれているその坂は、遼寧省瀋陽市に近い山中にある。遼寧省には8つの自然の驚異があるらしいが、「怪坡」はそのうちの1つだそう。
地元の言い伝えによると、坂の不思議な現象が知られるようになったのは1990年のこと。一人の警察官が自動車で山中を走っており、途中で止まった際にブレーキペダルから足を離すと、車が斜面の「上に」向かってゆっくり転がっていったという。
やがてその話が広まり、不思議な斜面を一目見ようとあちこちから人が集まった。それを知った中国政府は、斜面を整備して観光用の坂道「怪坡」を作った。
「怪坡」の上り坂(に見える場所)で自転車に乗ると、ペダルでこがなくても、上り方向に自然に走って行く。その様子がYouTubeに投稿されている。
目の錯覚なのだろうが……
海外メディアによれば、科学者たちが数年前からこの坂の謎を解明しようとしているとのこと。大体予想がつく通り、最も有力な説は「目の錯覚」。
この土地は、非常に広い範囲がなだらかな斜面になっており、そこに立つと、斜面なのに水平な大地だと錯覚してしまうらしい。「怪坡」は、その大斜面の中にある小さな斜面に作られたもの。大斜面のせいで水平感覚が狂ってしまい、上り下りの判別がつかなくなるのも頷ける。
ただ、あくまでこれは一つの説。まだ証明はされていないようだ。つまり、「怪坡」は未だ謎の坂ということになる。(了)
出典元:Odditycentral:China’s Famous ‘Strange Slope’ Appears to Defy Gravity(3/4)
出典元:百度百科:沈阳怪坡