ISSでゴリラの格好をして遊ぶ宇宙飛行士、動画が再び話題に
国際宇宙ステーション(ISS)で、ゴリラの衣装を着て遊ぶ宇宙飛行士の動画が投稿され、再び注目を集めている。
2016年に撮影された動画
その動画は実は2016年に撮影されたものだが、今年の1月10日に映像作家のTodd Spence氏によってツイッターに投稿され、再び脚光を浴びたという。
動画には余暇として宇宙飛行士がゴリラスーツを着て、仲間を怖がらせて遊ぶ様子が映っていた。
Spence氏の投稿は現在までに、3万回以上もリツイートされ、18万件の「いいね」が寄せられている。
Astronaut Mark Kelly once smuggled a full gorilla suit on board the International Space Station. He didn’t tell anyone about it. One day, without anyone knowing, he put it on. (source: Reddit) pic.twitter.com/v7aVunL7QF
— SPENCE, TODD (@Todd_Spence) January 9, 2022
ツイッターのコメントは正確ではなかった
Spence氏は投稿で「宇宙飛行士のマーク・ケリーが、以前宇宙ステーションにゴリラスーツを密かに運び込んだ」とコメントしているが、これは正確ではない。
まず、このゴリラスーツを着ていた宇宙飛行士は、マーク・ケリーさんの双子の兄弟であるスコット・ケリーさんになる。
また当時、マーク・ケリーさんは地球におり、ゴリラスーツを密輸したわけでもない。スーツはマークさんから、正式な補給ミッションでスコットさんに送られたものとなる。
そしてスコットさんはこのスーツを着て、イギリス人初の宇宙飛行士であるティム・ピークさんを追いかけまわしていたという。下は元になった動画となる。
That time NASA astronaut Scott Kelly, after 340 days in space, wore a gorilla suit and chased ESA astronaut Tim Peake on the International Space Station [story: https://t.co/Zc64TDGBXi] pic.twitter.com/fHTMYJbu6i
— Massimo (@Rainmaker1973) January 9, 2022
長期間に及ぶ人体への影響を調査
スコットさんはISSに合計で340日間滞在したが、その後地球に残ったマークさんと比較され、長期間の宇宙滞在が人体にどのような影響を与えるのか、について研究が行われた。
研究者は、340日間のミッションの前とその間、または後に2人から収集したデータを使って、10項目の異なる調査を実施。
その後、サイエンス誌に掲載された研究結果には、NASAの最長の有人宇宙飛行による人体への影響が詳細に示されており、スコットさんには、マークさんに見られないいくつかの変化が確認されたという。
これらの影響のいくつかは宇宙滞在後も残ったが、多くはその後6ヶ月で治まったそうだ。
この実験は、NASAが初めて1年間の宇宙実験に挑戦したもので、2〜3倍の期間を要する火星探査の前哨戦になるものだと言われている。(了)
出典元:METRO:The bizarre story of how a gorilla suit was smuggled onto the ISS(1/10)