なんてエコ!日本のアイガモ農法を世界経済フォーラムが紹介して話題に
世界経済フォーラムが紹介した日本の農法が注目を集めている。それが「アイガモ農法」だ。
アイガモ農法とは?
一般財団法人日本穀物検定協会が運営するお米アドバイザーのホームページによると、アイガモ農法とは、稲を食べずに害虫や雑草を食べてくれるアイガモを水田に離すことで、減農薬もしくは無農薬を目指す農法のことだという。
また、水田を移動する際に水をかき回すので、稲の根っこに酸素が行き渡りやすく、糞尿も肥料になるそうだ。
成長したアイガモは稲を倒してしまうため、毎年新しいアイガモが必要だが、成長したアイガモは食用として出荷できるのでコストもかからず、副収入にもなるという、メリットの多い農法だ。
「日本の農家は農薬の代わりにカモを使用」
4月23日、世界経済フォーラムはFacebook上に日本のアイガモ農法を紹介する動画を投稿した。
Japanese farmers are using ducks instead of pesticides
They eat all the weeds and insects – but leave the rice alone. Learn more: https://wef.ch/2J3GGOb
World Economic Forumさんの投稿 2018年4月23日月曜日
動画では、農薬を減らせて地球に良い農法であることが強調されただけではなく、「雑草の種も食べてくれるので、翌年の雑草が減る」「この方法で作られた稲は、台風や極端な天候に強くなる」と紹介された。
日本だけではなく、韓国やタイ、イランでもアイガモ農法は行われているそうだ。
この動画は投稿から1ヵ月ほどで1000万回以上再生され、20万人がリアクションし、27万件を超えるシェアを受けている。
国際機関のFacebookアカウントとはいえ、1万を超えるリアクションを受けることは少なく、注目の大きさがうかがえる。
アイガモ農法を取り入れたフランスの農家
古くから行われているアイガモ農法が、最近になって海外で注目を集めるようになったのは、4月2日にBBCでフランスの農家Bernard Poujol氏が紹介されたのがきっかけだ。
息子が日本で見てきたというアイガモ農法を取り入れた彼は、農薬の制限が厳しいフランスで「将来を握るのはカモだ」と信じているとのこと。1年間働いてくれたカモは、日本と同様に2年目には使わず、パテにして販売した。
しかし、長く一緒に働けるように、今シーズンは体が大きくならない種類のカモを使うつもりなのだという。
薬品を使わないエコな農法として注目を集めるアイガモ農法。日本でも取り入れている農家の数は限られているが、世界的なブームとなるのだろうか。(了)
出展元:お米アドバイザー:アイガモ農法とはなんですか?
出展元:BBC:Dumping pesticides, using ducks instead(4/2)
出展元:World Economic Forum:Japanese farmers are using ducks instead of pesticides(4/23)