インドの街で「青い犬」が増加、原因は川へ垂れ流された産業廃棄物
インドの街で最近、「青く染まった犬」が多く目撃され、注目を集めている。
川に排出された染料を含む産業廃棄物
この犬たちが目撃されたのはインド西部、Maharashtra州の州都に隣接する Navi Mumbai市のTaloja工業地区と言われている。
そこを流れるKasadi川には、以前から洗剤会社などが染料も含めた、処理されていない産業廃棄物を垂れ流してきたという。
そして犬などはその川を泳いだリ、歩いて渡ったり、川岸でエサを漁ったりするなどして、このように白い毛が青く染まったと考えられているそうだ。
しかもこのような「青い犬」の目撃情報は、最近も増え続けていると言われている。
動物保護組織「Navi Mumbai Animal Protection Cell」を運営しているArati Chauhanさんは、取材に対し次のように語っている。
「犬の白い毛がどのように青に変わって行くのかを見た時には、本当にショッキングでした。私たちはこのような犬をここで5匹見つけました。そして環境汚染管理委員会が産業界に対し行動を起こすよう求めています」
汚染レベルは安全基準値の13倍
地元メディアによれば、当局はこの問題に気づいており、その後このエリアにおいて水質検査を行ったという。
そもそも水生生物の生存に関わる指標、生化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand:BOD)は、1リットル中3mgで人間の摂取に適さないとされ、6mg/Lの場合は魚が死ぬとされている。
しかしメディアが引用した研究結果によれば、この川ではBODは80mg/Lもあり、有害な塩化物の度合も非常に高く、全体の汚染レベルは安全基準の13倍にも上昇しているという。
さらに地元漁師も数年前からMaharashtra州環境汚染管理委員会(MPCB)に不平を訴え、その結果臭気は抑えられたが、汚染レベルは急激な上昇を示しているとか。
そして「青い犬」の目撃情報が増えるにつれ、MPCBにも汚染によって動物たち苦しんでいるといった苦情が寄せられているという。
MPCBの広報官は声明で「どんな水域においても染料を排出することは違法です。私たちは環境を破壊しているとして、汚している者に対し行動を起こすつもりです。現在、担当地区の職員に対して調査するよう指示を出しています」とコメントしている。(了)
出展元:MailOnline:Stray dogs turn BLUE after drinking and washing in water from Indian river used to dump industrial waste(8/15)
出典元:HindustanTimes:Why are dogs turning blue in this Mumbai suburb? Kasadi river may hold answers(8/12)