スイスで猫の所有権を巡り5年に及ぶ係争に終止符、最高裁が下した判決は…
スイスで、一匹のシャム猫の所有権を巡り勃発した裁判の結果に注目が集まっている。
猫を預けていた男性の下から、女性が許可なく連れ帰る
一匹のシャム猫の所有権を巡り、裁判が勃発したのはスイス西端に位置するヴォー州。
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— Branko Grcic (@brankogrcic76) December 29, 2016
事の発端はおよそ5年前の2013年に遡り、この時シャム猫を所有していた女性は5週間にも及ぶ長期休暇を取るため、近所に住む男性に猫を預けたという。
しかしこの後男性は愛着を覚えてしまったのか、猫を手放さなくなってしまったという。
それでも女性は2014年10月に男性宅を訪問。
さらに男性の許可なく、深夜に猫を自宅へと連れ帰ったという。
これに対し男性は女性が猫を“誘拐した”として提訴。女性に対して2000フラン、日本円にして約22万円の罰金を求めていたという。
さらに女性には裁判にかかる費用と、男性に対して精神的苦痛を与えたとして500フラン、日本円にして約5万6000円の支払いも別途要求されていたとのことだ。
裁判の結果は女性の勝利に
しかしヴォー州の裁判所における判決では、結果的に女性が勝利することに。
裁判所は、女性が猫の所有権を有しているため、“誘拐”等の罪に問われることはないとしている。
またこの裁判結果により、女性と共に暮らしてきた猫は、今も女性の下で暮らしているという。
これに不満な男性が上告…その結果は
ところが話はこれだけでは終わらない。
男性側はヴォー州の裁判所が自らの主張を考慮していないとして、最高裁判所に上告。
猫は女性から贈り物として渡されたものであったと主張したという。
そして最高裁判所が6日に出した判決は、なんと男性側の勝利に終わることとなった。
最高裁判所は、事の発端から2か月が経過しても新たな合意等が何も行われていないとして、所有権は男性側に移ったとしている。
一匹の猫を巡り5年にもわたって続いた問題に、ついに打たれた終止符。元々猫を飼っていた女性の心境は察するが、それ以上に可哀そうなのは長年にもわたって元所有者の女性と男性との間で翻弄されてきた猫なのかもしれない。(了)
出典元:The Local Switzerland:Swiss supreme court rules on fate of Siamese cat(3/7)