パリのセーヌ川にクジラが打ち上げられる?突然の出来事に市民もビックリ
フランスの首都、パリを流れるセーヌ川の岸に突然、横たわったクジラが現れたとして話題となっている。
約18mのマッコウクジラが岸に
これが発見されたのは先週の金曜日の朝とされている。パリ市民がセーヌ川のノートルダム大聖堂付近の岸に約18mのマッコウクジラが打ち上げられているのを発見、多くの人々が驚いたという。
しかもその後に撮影された写真には、警察の科学捜査班らしき複数の人物がクジラの周りで現場検証を行っている様子も写っていた。
Incroyable scène ce matin au pont de la Tournelle, où un cachalot s'est échoué. Les scientifiques sont sur place pic.twitter.com/oYEAzF04Jq
— BLOOM Association (@Bloom_FR) July 21, 2017
#rennes Une baleine s'est échouée quai Saint-Cyr ! pic.twitter.com/fVjjhbp1qr
— Police nationale 35 (@PoliceNat35) July 1, 2016
自然環境を訴えるための「像」だった
しかし実はこのクジラは本物ではない。自然環境の保護を訴える「Captain Boomer」というグループが作り上げた精巧な像とされている。
彼らの目的はクジラやイルカなどが海岸に多く打ち上げられている実態について、人々に関心を持ってもらい、意識を高めてもらうこと。
そのためリアルなクジラを内陸部にあるパリに置き、その後メンバーらが警官らに扮して現場検証するのを装っていたそうだ。
無論、多くの市民は驚き、多数のメディアもこの珍しい出来事を取り上げたという。
#Baleine échouée à #Paris 👍 Impressionnant quand même. pic.twitter.com/RoozI8zzEy
— Pierre Barrachat (@PierreBarrachat) July 21, 2017
ソナーやノイズがクジラに影響か
「Captain Boomer」の設立者であるBert Van Peel氏は取材に対し、次のように語っている。
「これは人々に環境について気づいてもらうための芸術的な方法なのです。このハイパーリアルな像は、私たちの自然環境システムが機能不全を起こしているという大きなメタファーになっているのです」
無論、まだクジラやイルカが大量に浜などに打ち上げられる原因は、正確には分かっていない。
ただ「International Whale Association」のTom Kenis氏によれば、人間の船舶活動から出るソナーやノイズが、この種の動物の持つ方向感覚や海中でのナビゲーション能力に影響を与えているという。
このセーヌ川のクジラは今週の初めまで展示されているそうだが、ここまで巨大な像を作ってしまうとはフランスならではと言えるかもしれない。(了)
出典元:The Local:Paris: How did a ‘whale’ end up beached on the banks of the River Seine(7/21)
出典元:Mirror:‘Beached whale’ found in central Paris shocks passersby – but how did it come to be on the banks of the river Seine?(7/22)