メッセンジャーでの会話も筒抜け?FBが内容をチェックできることを認める
フェイスブックのメッセンジャーでやりとりしている方も多いかもしれないが、そこでの会話の内容も調べられていたことが先日、明らかにされた。
会話をスキャンしていた事実を認める
フェイスブックは4月5日、マルウェアのリンクや児童ポルノを防ぐため、メッセンジャーというアプリでの会話をスキャンするツールを使用していることを認めた。
無論、このことはコミュニティの規則に違反する可能性のある会話を、ユーザーが報告した場合に検知できることを表している。
しかし同時にこのツールにより、フェイスブック内で権限が与えられている担当者が、自動化されたシステムによって、フラグが立てられたどんなメッセージも確認できることになっているそうだ。
「投稿」はかねてから調査している
もっともフェイスブックは、かねてからコミュニティの規則を遵守しているかを確かめるため、担当者がユーザーの「投稿」を見ることができると明らかにしている。
しかし多くのユーザーは「メッセンジャー」での会話は、完全にプライベートなもので監視されていないと思っていたという。
そのため今回、全容が明らかにされたのだが、フェイスブックのメッセンジャーの担当者は声明で次のように述べている。
「例えば、メッセンジャーで人が写真を送信した時、私たちの自動化されたシステムは児童虐待の映像を検知するため、写真のマッチング技術を使い、スキャンします。また人がリンクを送った時も、マルウェアかウィルスでないかスキャンします」
「人々の間で交わされるメッセージの内容は、広告のターゲットにするために使用されることはありません。また私たちは皆さんの電話での通話や、ビデオ通話の内容を聞いてはいません」
8700万人分のデータも流出していた
フェイスブックを巡っては、3月16日にニューヨークタイムズなどが利用者5000万人分の個人情報が流出したと報じ、大きな問題となってきた。
これらの情報は、イギリスの「ケンブリッジ・アナリティカ」というデータ分析会社に渡り、2016年のアメリカ大統領選挙でもトランプ陣営の選挙対策に利用されたと言われている。
しかもフェイスブックは4月4日に、流出したデータが8700万人分に上る恐れがあると発表。これによりフェイスブックでの情報管理の甘さが指摘され、ソーシャルメディアのプラットフォームにおける規制強化を求める声が上がっていた。
フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、公聴会出席に先立ち、データ流出問題に関して「我々の責任について幅広い視野を持たず、大きな間違いだった」と謝罪。今後のセキュリティ強化やコンテンツ改善、広告の厳格な審査を約束した。
またすでに再発防止策をとり、データの削除や2段階ログインなどを採用したとされている。
メッセンジャーのデータも一定期間が過ぎたら、削除される仕組みになったと言われているが、今後もデータの取り扱いをめぐって規制が強化されていくのかもしれない。(了)
出典元:CNN:Yes, Facebook is scanning your messages for abuse(4/5)
出典元:Bloomberg:Facebook Scans the Photos and Links You Send on Messenger(4/4)