仏企業が83カ国で販売している粉ミルク製品、サルモネラ菌に汚染された疑いあり
フランスの企業が製造している粉ミルクに、サルモネラ菌が含まれている可能性があるとして、多くの国でその商品の回収が進められている。
83カ国で販売されている1200万個を回収
その粉ミルクを製造している企業とは「ラクタリス」。彼らは先週、83カ国で販売されている自社の粉ミルク製品、1200万個を回収する作業に入ったという。
実はこの企業は昨年12月にも、サルモネラ菌が含まれている可能性があるとして、30カ国で販売されている粉ミルクの回収をフランス政府に命じられていたそうだ。
しかし当初考えていたよりも問題はさらに拡大しており、同企業の社長であるEmmanuel Besnier氏もそのことを認めている。
仏では35人の赤ちゃんが感染の疑い
フランスでは同製品からサルモネラ菌に感染したと診断された赤ん坊が、これまでに35人いるという。またこの数週間でスペインでも1人、ギリシャでもその疑いのある赤ん坊が1人いるそうだ。
また以前からこれを飲んだ赤ちゃんが、下痢や高熱などの症状を訴えるケースも相次いでおり、粉ミルクがサルモネラ菌に汚染された疑いがあると言われてきたという。
社長のBesnier氏は「多くの苦情が寄せられています。今後は調査が行われるでしょう。私たちはその調査に完全に協力するつもりです」と語っている。
菌が検出された製品は仏の工場で作られた
「ラクタリス」はBesnier氏の祖父が1933年に立ち上げた会社とされ、現在では170億ユーロの資本を持つ多国籍企業にまで成長。47カ国に工場を持っているという。
しかし今回、サルモネラ菌に感染したとみられる製品は全て、フランス北西部のCraonという町にある工場で作られており、昨年の12月にはそこでサルモネラ菌が検出され、その事実が公にされたと言われている。
ところが不可解にも昨年の8月の段階で、「ラクタリス」の研究者がサルモネラ菌の痕跡を検出していたにも関わらず、州の検査官は9月の調査では菌が検出されなかったとして、その工場に安全証明書を与えていたとか。
NHKによればこの製品は、日本以外の中国などで販売されていたという。またフランスの被害者団体の代表は12日、パリで記者会見し、「どれだけの被害者がいるのか、今は説明できない」と述べているそうだ。
今後この問題がどのように広がっていくのか、注視していきたい。(了)
出典元:METRO:Salmonella scare sparks recall of 12,000,000 boxes of baby milk in 83 countries(1/14)
出典元:NHK:仏 粉ミルクがサルモネラ菌に汚染か 37人に被害確認(1/13)