年齢はわずか3歳、ネパールで新しい女性の生き神「クマリ」が誕生
先日、ネパールで3歳の女の子が新しい「女神」として選ばれ、儀式が行われた。
「クマリ」と呼ばれる生き神
その3歳の女の子とは、首都のカトマンズに住むTrishna Shakyaさん。彼女は9月28日に、ヒンドゥー教徒や仏教徒にも崇拝される「生きた女神」に選ばれたという。
そしてTrishnaさんはカトマンズにある寺院宮殿に連れて行かれ、宗教的儀式が執り行われ、彼女はそこで12歳になるまで過ごすそうだ。
その女神は「クマリ」と呼ばれ、ネパール語で「処女」という意味。幼少時代の女神ドゥルガーを指し、その身体には密教の女神が宿ると信じられており、少女が初潮を迎えるまで女神として崇められるとか。
しかも「クマリ」は絶大な力を持つと信じられており、祭りでは王も女神に跪くという。
国全体に幸福をもたらす存在
彼女を選んだヒンドゥー教僧侶の委員であるGautam Shakya氏は取材で、次のように語っている。
「生きた女神が12歳に達した後に、私たちは新しい女神を探し、調査を始めなければなりません。これは私たちの伝統なのです。そして私たちは女神がこの国に幸福をもたらすのに適しているのかを確かめなければならないのです」
そのため委員たちは少女らの肉体的な欠点、例えばケガや不自由な個所がないかを調べ、さらに「健康であること」や「菩提樹のような体であること」「牛のような睫毛」「シカのような足」といった特徴も確認した後、数日かけて「クマリ」を選ぶという。
下の写真は以前の「クマリ」の女性。
父親「幸せと同時に泣きたい気持ち」
選ばれたTrishnaさんがカトマンズにある自宅から寺院へ運ばれる前、人々は彼女にチョコレートや卵、甘いお菓子、フルーツなどを捧げるために列を作ったとされている。
その後、Trishnaさんは赤いドレスを着せられ、体を花冠で飾られて運ばれたが、通りでは彼女の表情をひと目見ようと数百人が並んだとか。
彼女の父親であるBijaya Ratna Shakyaさんは、取材に対し次のように語っている。
「娘は生きた女神になるのです。彼女は単に私たちの娘であるだけでなく、国全体の生きた女神でもあるのです、私は幸せです。でも同時に泣きたいような気持ちです」
Trishnaさんが寺院に到着後、前の女神であるMatina Shakyaさんは裏口から出て、家族や支援者によって運ばれていくそうだ。
新たな女神の儀式は、2週間続く「ダサイン」という祭りの8日目に行われたという。(了)
出典元:ABC News:3-year-old girl becomes Nepal’s new living goddess(9/28)