残酷な犬や猫の大量繁殖を根絶させるため…ペットショップでの販売を制限する条例案が米で可決
アメリカのサンフランシスコで、シェルターに保護されたことのない犬や猫などをペットショップが販売するのを禁止する条例案が可決され、注目されている。
●「子犬の生産工場」を根絶するため
英紙Independentによれば、この条例はブリーダーらによって行われている非人道的な犬や猫たちの繁殖生産、つまり大規模な「子犬・子猫の生産工場」を根絶させるために制定されたという。
そして今回可決された条例により、今後ペットショップが販売できるのはアニマルシェルターなどで保護された犬や猫に限られ、その際には全て動物保護団体を通す必要があるそうだ。また生後8週間未満の動物の販売も禁止される。
もっともライセンスを取得しているブリーダーに影響はないらしいが、この条例は同時にシェルターに預けられている数千匹にも及ぶ犬や猫たちを「養子」として引き取るよう、人々に促すことも期待されている。
●多くの市や郡で店での動物販売を禁止
もっともアメリカでこのような手段をとったのは、サンフランシスコが最初の都市ではない。
ロサンゼルスやサンディエゴ、シカゴ、フィラデルフィア、ボストン、オースティンなども同様の条例があるという。
またアメリカ全土でも200以上の市や郡が、すでにペットショップでの動物の販売を禁止しているそうだ。
●「模範を示すもの」として賞賛される
しかし動物の権利を求める保護団体「PETA」のMimi Bekhechi氏は、今回のサンフランシスコの条例を、「進歩的」で「模範を示すもの」として賞賛している。
Bekhechi氏はIndependentの取材に対し、業界の現状について次のように語っている。
「ペットショップの貪欲さは、業界に対し残酷な商業的繁殖活動を促し、メスの犬や猫を不潔な鉄の檻に閉じ込めてきました。彼らの目的は、近親交配で生まれる子犬や子猫を大量生産すること。そして子犬たちはすぐに母親から引き離され、数百キロも離れた場所に運ばれ、売られていくのです」
またこの条例を提案した、第4管区の監督官であるKaty Tang氏も、今回の条例の効果について次のように述べている。
「この条例は抑止力として機能し、ペットショップなどの企業が、サンフランシスコへ流入するのを防ぐでしょう。また組立ラインの上にいるかのように子犬や子猫を扱い、無責任に大量生産するブリーダーによって、動物たちが売られるのを防ぐことができるでしょう」(了)
出展元:INDEPENDENT:San Francisco passes law forcing all pet shops to only sell rescue dogs and cats(2/18)