豪とフィリピンが、南シナ海で共同パトロールを実施
オーストラリア軍とフィリピン軍は11月25日、南シナ海において、共同パトロールを行った。
両国が空と海とでパトロール
南シナ海での共同パトロールについての話し合いは、すでに今年初めには両国の間で行われており、今回初めて空と海とでパトロールが実施されたという。
共同パトロールは3日間行われる予定で、フィリピンの排他的経済水域内にある南シナ海の海域、西フィリピン海で哨戒任務が実施されたそうだ。
フィリピン軍からは、海軍の2隻の艦艇と5機の哨戒機が参加。オーストラリア軍は、フリゲート艦「HMASトゥーンバ(Toowoomba)」と哨戒機「P8-A」を派遣したという。
Today #AusNavy frigate HMAS Toowoomba & Philippine Navy vessels BRP Gregorio del Pilar & Davao Del Sur conducted the 1st bilateral Maritime Cooperative Activity in the EEZ of the Philippines to enhance @teamAFP & #YourADF interoperability in maritime security & domain awareness. pic.twitter.com/bBhpeFWPoz
— Defence Australia (@DefenceAust) November 25, 2023
フィリピンのマルコス・ジュニア大統領は、この演習がルールに基づいた国際秩序を維持するものであるとし、次のように「X」に投稿した。
「この最初の海上協力活動とその後の活動は、両国間の戦略的・防衛的パートナーシップが成長し、深化していることを、実際に示したものである」
「中国の主張には、法的根拠がない」
中国は南シナ海のほぼ全域において領有権を主張しているが、フィリピンやベトナム、インドネシア、マレーシア、ブルネイもこの海域の領有権を主張している。
しかしオランダのハーグにある常設仲裁裁判所は2016年、南シナ海の領有権に関する中国の主張には、法的根拠がないとの判断を示した。
またフィリピン政府は南シナ海での中国の「侵略的活動」に対抗する取り組みを強化しており、数日前にもアメリカ軍と共同パトロールを行っている。
オーストラリア海軍のフリゲート艦「HMASトゥーンバ」の複数の乗組員は14日、日本近海で潜水作業を行っていたが、その際中国軍の駆逐艦が作動させた音波探知機(ソナー)によって耳に軽傷を負ったという。
この件に関して、オーストラリアのマールズ副首相兼国防相は18日、中国の駆逐艦が危険な行為をしたとして「深刻な懸念」を表明した。(了)
出典元:The Guardian:Australia and Philippines begin joint patrols in South China Sea as regional tensions rise(11/25)