豪華クルーズ船でのレイプ事件が増加:2023年米運輸省レポート
FBI(米連邦捜査局)に報告されたクルーズ船内でのレイプ·性暴力事件数が、過去最高となった。米運輸省が発表したレポートで判明した。
月に平均10件の被害報告
レポートによると、昨年2023年に報告されたクルーズ船でのレイプ·性暴力事件は131件。月に平均して約10件の事件が起こったことになる。
前年の2022年は87件だった。クルーズ船業界が新型コロナの打撃を受ける以前の2019年は101件と多かったが、2023年はそれを抜いて過去最多となった。
性暴力防止と被害者救済のための米国最大組織「Rape, Abuse & Incest National Network(RAINN)」は、実際に起こったレイプ·性暴力事件は131件より多いはずだとコメントしている。
米国では性的被害者の3分の2は泣き寝入りして、警察に届けないのが通例なのだそう。また、クルーズ船の乗客のうち、米国の法律で守られているのはアメリカ人だけなので、他国の客が受けた被害に関して、船会社はFBIに報告しないでよいことになっているとのこと。
クルーズ船が牢獄となる
今月、大手のクルーズ会社「MSCクルーズ」が、2件の被害者から提訴された。1件は船員が乗客女性をレイプした疑い、もう1件は未成年女性が性的なイタズラを受けるのをクルーズ会社が防止しなかったという理由からだ。
クルーズ船上でレイプされた被害者は、犯人と共に船に閉じ込められ、次の寄港地に着くまで逃げられない。そのため「トラウマを悪化させてしまう」と担当弁護士は言う。
また、加害者が船員だった場合、被害者は相手がどの部屋にいるかも分からないので恐怖がつのる。こうした状況で被害者は「まるで監獄にいるように感じる」のだそう。
MSCクルーズ社は、裁判が進行中であるという理由で、これらの件に関するコメントを避けている。(了)
出典元:New York Post:Cruise ship rapes and sexual assaults hit record high in 2023: FBI(1/27)
出典元:Miami New Times:New Report Highlights Spike in Sexual Assault Cases Aboard Cruise Ships(1/19)