「バイデンがトランプ暗殺を指示した」SNS上で陰謀論が拡散
7月13日、トランプ前大統領の暗殺未遂事件が起きたが、その後SNS上には、さまざまな陰謀論が溢れかえったという。
「バイデンが暗殺の命令を下した」
特にSNSの「X」では、この事件後、親トランプ派の共和党下院議員であるマイク・コリンズ氏や、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員、ティム・スコット上院議員などが声を上げた。
マイク・コリンズ下院議員は、「ジョー・バイデンが(暗殺の)命令を出した」と投稿し、バイデン大統領を「暗殺扇動」の罪で訴追するよう求めたという。
トランプ氏の熱烈なファンであるマージョリー・テイラー・グリーン下院議員も「民主党は、何年もトランプ氏が消えることを望んでおり、そのためには何でもする準備をしてきた」と投稿。
Someone just tried to ASSASSINATE President Trump.
The Democrats and the media are to blame for every drop of blood spilled today.
For years and years, they’ve demonized him and his supporters.
Today, someone finally tried to take out the leader of our America First and the… pic.twitter.com/38cFXjQdwx
— Rep. Marjorie Taylor Greene🇺🇸 (@RepMTG) July 13, 2024
ティム・スコット上院議員は「銃撃事件は、過激な左派とメディア企業によって幇助され、けしかけられた」と発言した。
またロバート・F・ケネディ・ジュニア氏の副大統領候補で、弁護士でもあるニコール・シャナハン氏も、「民主党と旧来のメディアが、暴力を扇動した」と非難した。
「極左集団が犯人だ!」
一方、トランプ氏の警護部隊の対応が遅かったとするさまざまな投稿に対し、「X」のオーナーであるイーロン・マスク氏も「シークレットサービスの責任者とこの警護部隊のリーダーは辞任すべきだ」と投稿
「極度の無能さ、あるいは故意だった。いずれにせよ、シークレットサービスの指導者は辞任しなければならない」と述べた。
また2012年に起きた小学校銃乱射事件で、「自分は嘘をついていた」と認めた著名な陰謀論者、アレックス・ジョーンズ氏は、暗殺未遂事件は「ディープステートによる、ライブ・クーデターだ」と主張した。
さらにジョーンズ氏は、反人種差別を掲げる左翼の団体「アンティファ」をターゲットにし「私は何カ月も前から放送で、彼ら(アンティファ)がトランプ氏を殺そうとしていると伝えてきました。そして、彼らがトランプ氏を殺そうとするとき、彼らは彼の最大の支持者である他の全員を狙うでしょう」と「X」に投稿したという。
しかしジョーンズ氏は、その証拠などは一切示しておらず、主要メディアは犯人のトーマス・マシュー・クルックス容疑者と、「アンティファ」との関連を報じていない。
しかもクルックス容疑者は共和党の有権者として登録されており、犯罪歴はなかったことが明らかになっている。
ただジョーンズ氏の主張は、他の有名なアカウントでも拡散され、暗殺未遂事件の犯人が「アンティファ」の主要メンバーであるマーク・バイオレット氏であるとの主張が展開された。
その後、犯人が明らかになり、バイオレット氏が犯人であるとする投稿も削除されたが、その間にもロシアのプロパガンダ活動に関連するさまざまなアカウントによって、その投稿が拡散されていったという。
民主党員とCIAが共謀
QAnon陰謀論を信じている他のユーザーは、著名な民主党員がCIAと共謀し、暗殺未遂事件を起こしたと示唆する投稿を行ったという。
このようなユーザーは、民主党自体が児童の性的人身売買に関与する世界的な悪魔組織の一部であると信じているそうだ。
一方で、民主党支持者からは、暗殺未遂事件自体が、トランプ陣営による「でっち上げ」「やらせ」「自作自演」といった意見も投稿された。
彼らは、大統領選挙戦でトランプ氏にさらなる勢いを与えるために、彼の支持者が暗殺未遂事件を画策したと主張している。(了)
出典元:METRO:All the Trump assassination conspiracy theories, from ‘Deep State’ to ‘Antifa’(7/14)