シリア反政府勢力がアレッポ南部の都市へ進撃、政府軍と激しい交戦
シリアの反政府勢力が、北部のアレッポを制圧した後、さらに南下しているようだ。
ハマ市内で激しい戦闘
イスラム主義組織「ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)」率いる反政府勢力によれば、現在国内第4の都市ハマ市から約6マイル(約9.7km)の地点に陣取っているという。
そしてすでにハマ市の北にある町、MaardisとSoranを支配下に収めたと主張している。
またシリア人権監視団も12月3日の朝、反政府勢力が過去数時間で、いくつかの町を制圧したと発表。同時にシリアとロシアの空軍が、この地域に数十回の攻撃を実施したと報告した。
シリア国営通信社「Sana」によれば、シリア軍は現在、ハマ市で反政府勢力と激しい衝突を繰り広げているという。
Images show rebel fighters firing at positions held by the Syrian army near Hama city in central Syria. https://t.co/g1uKcWg9Tt pic.twitter.com/mSSKNfgM8D
— Voice of America (@VOANews) December 4, 2024
Syria rebels ‘at gates’ of central city Hama.
The Islamist-led rebels are advancing on Syria’s fourth-largest city, buoyed by their lightning capture of swathes of the north in an offensive that ended four years of relative calmhttps://t.co/MBctROqpuf pic.twitter.com/h2TkPlqzZe
— AFP News Agency (@AFP) December 4, 2024
主要都市を結ぶ道路が通る
反政府勢力は11月30日、シリア北部の主要都市・アレッポに進撃し、国際空港を含む大部分を支配下に置いたという。
シリア政府軍は、戦闘で大きな打撃を受けたため、アレッポから撤退。しかしその後、政府軍はロシア軍と共に、アレッポの反政府勢力に対して、空爆を繰り返してきた。
今回、反政府勢力が進軍した都市・ハマは、北部のアレッポや、中心部のホムス市、沿岸部の港湾都市・Latakia、そして首都のダマスカスを結ぶ道路が通っているという。
またハマは、2011年の「アラブの春」で民主化を求める抗議運動が初めて勃発した際、アサド政権に対する反対派の拠点だったそうだ。
この時、シリア各地で平和的なデモが行われたが、治安部隊が武力鎮圧したため、反対派が武装蜂起。この結果、数年に及ぶ内戦が続き、アレッポでも激しい戦闘が繰り広げられた。
内戦の際、ロシアとイラン、そしてレバノンの「ヒズボラ」がアサド大統領を支援し、2016年には、シリア政府軍がアレッポを支配下に置いたという。
今回、反政府勢力がアレッポを奪還したことを受け、イラン政府は12月3日、シリア政府の要請があれば、軍の派遣を検討すると述べたという。(了)
出典元:The Guardian:Syrian insurgents advance on Hama city after capturing Aleppo(12/3)