ヨルダン川西岸地区全域で、イスラエル軍による襲撃が拡大

ヨルダン川西岸地区の多くの場所で、イスラエル軍などが襲撃を行い、破壊と殺戮を繰り返している。
イスラエル軍や入植者が襲撃
イスラエル軍は3月15日、ヨルダン川西岸地区北部にあるナブルス南部の町、Beitaで18歳のパレスチナ人を銃撃して負傷させたという。
また夜間にもナブルス東部の町、サリムを襲撃し、21歳のパレスチナ人の男性が頭を撃たれて死亡した。
さらにイスラエル軍は中部の都市、ラマラ北西部のal-Janiya村をも襲撃し、1人のパレスチナ人男性を射殺。同じく中部にあるSalfit市も襲撃したという。
15日の朝には、ヨルダン川西岸地区北西部の町、トゥルカレムの東にあるNur Shams難民キャンプへの襲撃を行い、患者を搬送中の救急車に発砲したそうだ。
しかもイスラエル人の入植者も、軍に守られながら、Wadi al-Matwiにあるパレスチナ人の農地をブルドーザーで破壊し、入植地への道路を作ったという。
イスラエル海軍も砲撃し、漁師を殺害
またイスラエル軍はガザ地区でも停戦違反を繰り返し、パレスチナ人に向けて発砲するなどし、複数の人々が犠牲になった。
北部のガザ市では、イスラエル軍のドローンによる攻撃で、パレスチナ人4人が死亡。3月14日には、イスラエル海軍の船が、沖合で漁をしていたパレスチナ人の船に向かって砲撃し、1人の漁師が死亡したという。
さらに15日には、イスラエル軍の戦車が、南部のラファで砲撃、イスラエル海軍の船もラファに向かって砲撃を加えたそうだ。今までのところ、死傷者は確認されていないが、砲撃により火災が発生したと言われている。
しかもイスラエル軍は「ハマス」に対し、停戦協定の第1段階の延長を要求し、ガザ地区への人道支援物資の搬入を阻止しているため、多くの人々が困窮しているという。
特に食料や燃料、医薬品が2週間も手に入らず、慢性的な不足に陥っており、市場に出回っている商品の値段も高騰し、多くの人々が買うことさえできずにいるそうだ
ハマスが人質の解放と交渉再開を提案
トランプ大統領の側近で、中東特使のスティーブ・ウィトコフ氏は、人道支援と引き換えに「ハマス」が人質を解放することを提案したが、交渉は進展していない。
「ハマス」側は3月15日、イスラエルが既存の停戦協定を実施した場合のみ、アメリカとイスラエルの二重国籍を持つエダン・アレクサンダー氏を解放し、他の人質4人の遺体を引き渡すと発表した。
その上で停戦協定を軌道に戻すため、人質の解放日には、長らく遅れていた停戦の第2段階に関する協議を始めるよう求めたという。
そしてイスラエル側がガザ地区への人道支援物資の受け入れを再開し、ガザ地区とエジプトの国境沿いにあるフィラデルフィア回廊から軍を撤退させるよう求めた。
またアメリカでは3月14日、親パレスチナのデモに参加していた学生で、ヨルダン川西岸出身のパレスチナ人女性、レカ・コルディア(Leqaa Kordia)さんが逮捕されたという。
これで親パレスチナのデモに参加していた人物が拘束されるのは2人目となるが、トランプ政権はさらにコロンビア大学への資金提供を停止すると脅し、イスラエルを批判してきた、奨学金を担当する部門のスタッフを解雇するよう要求した。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israeli attacks kill 5 in north Gaza, shelling hits southern Rafah(3/15)