ウクライナ軍がクリミアとロシアを結ぶ橋を攻撃、水中で大爆発【動画】

ウクライナ軍は6月3日、クリミア半島とロシア領内を結ぶ、ケルチ橋を攻撃した。
ウクライナ保安庁が動画を公開
ウクライナ保安庁(SBU)は6月3日、クリミア半島とロシア領内を結ぶケルチ橋を攻撃したと発表。その映像も公開した。
2018年に開通したケルチ橋は全長が19kmで、道路・鉄道が通っている。今回の作戦を指揮したSBUのVasyl Maliuk中将は、「敵が部隊への物資補給のため、(橋を)物流の動脈として利用していたことを考慮すると、完全に正当な標的だ」と述べたという。
またMaliuk中将は「クリミアはウクライナ領であり、いかなる占領行為にも我々は厳しい対応を取る」と語ったそうだ。
公開された動画には、水中で大爆発が起き、橋の支柱が損傷する様子が映っていた。
TNT火薬1トン以上の爆発物
ウクライナ保安庁は、ケルチ橋への作戦は数カ月前から計画されており、TNT火薬1トン以上に相当する爆発物が使用され、橋の支柱の土台が「深刻な損傷」を受けたと主張している。
ロシア側は6月3日、ケルチ橋の通行が一時遮断されたと発表。ロシア国営メディアも、通行止めは約4時間続いたと報じた。
ウクライナ側が、この橋を標的としたのは今回が3度目。2022年10月には橋の上でトラックが爆発し、2023年7月には海軍の水上無人機を用いて橋の一部を爆破した。
ロシア国内でも鉄道橋が爆破される
またロシアでは先週末に、国内の鉄道橋2本が爆破され、2両の列車が衝突し、7人が死亡、子供を含む113人が負傷したという。
ロシアの国家捜査委員会は6月3日、この鉄道橋の爆破がウクライナによる「テロ行為」だと断じた。
一方、ロシア軍も6月3日、ウクライナ北東部のスムイ州に対しロケット弾攻撃を行い、少なくとも4人が死亡、25人が負傷した。
ゼレンスキー大統領はこの攻撃を非難し、ロシア政府には戦争を止める意志が全くないことを浮き彫りにしたと述べたという。
6月2日にはウクライナ側とロシア側が停戦について、トルコで協議。双方は捕虜の大規模な交換で合意し、和平へのロードマップ、いわゆる「覚書」を交換した。
ロシア国営メディアが公開した「覚書」によると、ロシア政府は攻撃停止の前提条件として、併合した(と主張している)ウクライナ東部と南部の4地域からウクライナ軍を撤退させることを要求しているという。(了)
出典元:The Guardian:Ukraine hits bridge linking Crimea to Russia with underwater explosives(6/3)