ガザ地区でイスラエル軍が大規模な空爆を実施、「ハマス」が停戦違反をしたと主張

イスラエル軍は10月19日、停戦中にも関わらず、ガザ地区中部と南部で激しい空爆を行い、数多くのパレスチナ人が殺害された。
42人のパレスチナ人が死亡
イスラエル軍はガザ地区南部のラファで、「ハマス」が自軍に発砲し、2人の兵士が死亡、1人が重傷を負ったと主張。「ハマス」が停戦違反を行ったとし、ガザ地区中部と南部に激しい空爆を行った。
ガザ地区中部のヌセイラトでは、難民キャンプの西部に位置する避難民用テントをイスラエル軍が爆撃、パレスチナ人6人が死亡したそうだ。
またイスラエル軍はガザ地区南部も空爆し、病院関係者によれば、19日には少なくとも全域で、42人のパレスチナ人が殺害されたという。
さらにイスラエル側は、ガザ地区への人道支援物資の搬入も停止させた。
しかし「ハマス」側は、イスラエル軍を攻撃したことを否定。イスラエル側の主張は虚偽であり、根拠がないと主張している。
イスラエル軍、停戦を再開すると宣言
イスラエル側は、この攻撃を行う前に、アメリカ側に連絡をしたようだが、空爆の許可を求めたわけではないようだ。
また10月20日にイスラエルを訪問し、停戦について話し合う予定だったアメリカのJ・D・バンス副大統領が、訪問を延期したとの情報も流れている。
そして攻撃後、イスラエル軍は、停戦を再開すると宣言。声明において「停戦合意の履行を継続し、いかなる違反にも断固として対応する」と述べた。
しかしイスラエル軍は10月10日の停戦発効以降も、ガザ地区で度々攻撃を行っており、少なくとも51人のパレスチナ人が殺害されたという。
「トランプ氏はイスラエル軍の行動を抑制せよ」
アメリカの人権団体「イスラム関係評議会(CAIR)」は、停戦中であるにもかかわらず、イスラエル軍がガザ地区へ空爆を実施したことを非難。声明で、次のように述べた。
「停戦開始以来、ネタニヤフ政権はガザ地区におけるジェノサイドの全面再開を熱望している。ガザ地区全域における民間人への残虐で不必要な大規模な爆撃は、トランプ大統領の停戦合意の明白な違反であり、ジェノサイドの再開に等しい。トランプ大統領はイスラエル軍の行動を抑制し、イスラエルの軍事力を支えるためにアメリカ製の武器とアメリカ国民の税金を送るのをやめなければならない」
「ハマス」の軍事部門である「カッサム旅団」は19日、さらに1人の人質の遺体を発見したと発表。条件が整えば、同日に引き渡す用意があると述べた。(了)
出典元:Aljazeera:Live: Israel launches ‘wave’ of air strikes on Gaza as truce teeters(10/19)