杉田議員を安倍の盟友と表現―海外メディアが伝えた「新潮45の休刊」
8月号では杉田水脈議員が寄稿したLGBTに関する差別的な文章を掲載し、炎上した「新潮45」。
最新号では杉田議員を擁護する特集「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」を組み、その内容が再び炎上して注目を集めた。
>>(過去記事)「LGBTは生産性がない」で炎上中の杉田議員をアルジャジーラが紹介」
社内からも批判の声が上がる中、新潮社は9月25日付で休刊を発表している。
LGBTへの偏見がひとつの雑誌を休刊に追い込んだ事実を、海外の大手メディアであるThe Guardianが伝えた。
Japanese magazine to close after Abe ally's 'homophobic' article https://t.co/Z8TGvYlSmH
— The Guardian (@guardian) September 26, 2018
「Japanese magazine to close after Abe ally’s ‘homophobic’ article(安倍の盟友による「同性愛嫌悪」の記事の後、日本の雑誌が終わりを告げる)」とのタイトルがつけられた、The Guardianの記事。掲載された杉田議員の写真から、この記事の論調が想像できるかもしれない。
新潮社の姿勢はどのように取り上げられたか
The Guardianは「部数低迷で編集上の無理が生じ、十分な原稿チェックができなかった」とした新潮社の発表を紹介した。また、「このような事態を招いたことについてお詫び致します」という言葉を「謝罪した」と表現している。
また、佐藤隆信代表取締役社長が9月21日に出した声明より、「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました」という部分が取り上げられた。
杉田議員を「安倍首相の盟友」と紹介
記事では、「なでしこ」を自称する杉田水脈議員の炎上後についても触れている。
8月号の炎上を受けた後の自民党の対応について、「最初は杉田議員への注意を拒否していたが、後に性的マイノリティの権利を支援する(党の方針に)反すると、杉田議員にくぎを刺したとしている」と解説。
また杉田議員を「安倍首相の盟友(支援者・味方)」と紹介し、記事についての謝罪を公にはしていないことが書かれている。さらに、「彼女はまだ若いので辞職を促すつもりはない」とした安倍首相の発言を紹介。「杉田は51歳だ」と記事では皮肉を添えている。
また同記事の中では、「新潮45」に掲載された文章の中に、性的マイノリティの権利を保障する社会ならば、「彼ら(痴漢症候群の男性)が女性に触る権利を社会は保障すべきでないのか」とする文芸評論家の小川榮太郎氏の一文も紹介されている。(了)
※これらの問題点については、日本のBusiness Journalで江川紹子氏が「「新潮45」LGBT差別…江川紹子が指摘、休刊だけですまされない問題の本質」の中で鋭く指摘している。是非、ご一読いただきたい。
出典元:The Guardian「Japanese magazine to close after Abe ally’s ‘homophobic’ article」(9/26)
出典元:新潮社「「新潮45」休刊のお知らせ」