ロッキード・マーティンが、衝撃音の少ない新しい超音速機の製造を開始
アメリカの企業、ロッキード・マーティンは11月16日、新しい超音速旅客機の実験機の製造に乗り出したと正式に発表した。
発生する音はドアが閉まる程度
その新しい超音速機の名前は「X-59」。これは5万5000フィート(約17km)上空を、時速1512kmで飛行するようデザインされるという。
また音速を越える際には、衝撃波によるソニックブームと呼ばれる大音響が発生するが、この「X-59」ではこれを、ドアが閉まる音のレベルに抑える予定だとしている。
この新しい音速機の開発を、ロッキード・マーティンに依頼したのはNASA。両者は今年の始めには、2億5000万ドルの契約を取り交わしていた。
ただし今回製作されるのは実験機とされ、本格的に市場に登場するのはまだ先になるそうだ。
長く細い機体がソニックブームを低減
現在の規則では、地上の上空における超音速機の商業フライトは禁止されているため、「Boom Supersonic」などの新興企業は英起業家のリチャード・ブランソン氏や日本の航空会社から支援を受け、船が海を渡るルートで飛行する技術の導入を試みているという。
しかしロッキード・マーティンとNASAは、ソニックブームのノイズ・レベルを低下させる技術を発展させたいと考えており、今回の実験機でもコンコルドのように地上上空を飛行できるようなデザインを採用しているとか。
ロッキード・マーティンのPeter Iosifidis氏は次のように語っている。
「このプロジェクトにおける製造開始は、X59の大きな飛躍を示すもので、未来の静かな超音速機による商業フライトを記念するものです。長く、細いデザインはソニックブームを低減させるための鍵となるものです。(略)乗客の方にとっても、超音速機での旅が一歩近づいたことになります」
この「X-59」は2021年に初飛行を予定しており、発生する低レベルのソニックブームがどれだけ受け入れられるかを調べるため、地域住民の反応を示したデータを集める予定だという。(了)
出典元:CNBC:Lockheed Martin starts production of its experimental supersonic plane(11/16)
出典元:Lockheed Martin:Supersonic Commercial Travel Begins To Take Shape At Lockheed Martin Skunk Works(11/16)