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なぜ欧米の人々は捕鯨に反対するのか?海外のSNSに寄せられた意見とは

なぜ欧米の人々は捕鯨に反対するのか?海外のSNSに寄せられた意見とは
flickr_Art of Backpacking

12月26日、日本政府は、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、来年7月から商業捕鯨を再開すると発表した。

 

このニュースに対し、欧米のSNSではさっそく日本への非難が多く寄せられている。

 

日本製品のボイコットを叫ぶ

 

26日の記者会見で菅官房長官は、商業捕鯨は日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内に限定されると発言。また南極海や南半球での捕鯨を取りやめると発表した。

 

NHKによれば、脱退する前はIWCが管轄しないツチクジラなど小型のクジラに限って捕獲する沿岸の捕鯨が、和歌山県の太地町など一部の地域で小規模に行われてきたという。

 

しかし商業捕鯨が再開されれば、小型の船による沿岸での捕鯨の他、沖合で複数の船が船団を組んで行う捕鯨も実施されることに。

 

ただしクジラの資源に影響を与えないよう、適切な頭数を算出したうえで捕獲枠を設定して行われる見通しだ。

 

また捕獲するのは、沿岸では主にミンククジラで、沖合ではミンククジラの他、豊富だとみられているイワシクジラやニタリクジラも対象にすると言われている。

 

この商業捕鯨再開のニュースは、主に欧米のメディアで多く取り上げられ、人々の反発を招いている。

 

BBCのFacebookページにも多くの非難の声が寄せられた。その一部をご紹介する。

 

「私たちは新しい車を必要としているけど、きっとそれは日本のブランドの車にはならないと思う(日本車は買わないつもりだ)」

「日本よ、あなたたちは恥じるべきだ」

「日本に対して全て拒否権を行使しよう。アイスランドやノルウェーも」

「私たちは日本製品をボイコットしなければならない。車やカメラ、テレビ一式、農作物など、日本のものは全てだ」

Japan's decision means it will be able to freely hunt species currently protected by the International Whaling Commission, like minke whales.

BBC Newsさんの投稿 2018年12月26日水曜日

なぜクジラだけ殺してはいけないのか?

 

しかしなぜ、彼らは商業捕鯨を許すことができないのだろうか。実はコメントの中には、クジラだけを禁止することに疑問を呈する意見もあった。FacebookユーザーのEspen Orstad さんは、次のように述べている。

 

「もしこれがブタだったら、ビーガンでない人以外は『かわいい動物症候群』やダブルスタンダードで逮捕されるでしょう。私が昨日食べた豚肉は、犬よりも賢いと言われている動物(ブタ)からのものです。でも犬はかわいい。もし人が肉を食べるなら、なぜこの動物は他のより価値がない、または価値がある、と言えるのでしょうか?」

 

このコメントに対しては60件以上も返信されており、次のような意見も寄せられた。

 

「恐らくクジラは貴重で、生態系において重要な役割を果たしているからじゃないか?でもブタは違う」

「(いや)彼ら(主にミンククジラ)は、絶滅が危惧されていない。(しかし)クジラは1頭の赤ん坊しか生まない。赤ん坊は4年から5年間、母親に頼って生きることになるから」

「それ(殺すのがいけないの)は、クジラの殺され方なんだよ(酷い殺され方をするから)」

 

また「頭がいい」や「同じ哺乳類だから」「大切な動物だから」という意見も寄せられている。

 

しかし、どれだけ探しても「なぜブタは殺して良くて、クジラは殺してはいけないのか」という問いに答えられたコメントはなかった。

 

このためEspen Orstadさんもしまいには、皆に対し「ありがとう!この問題について、皆はなんて偽善的なんだ」と答えている。

 

「犬食」から考える、歩み寄り

 

つまり捕鯨反対の人は、「なぜクジラを殺してはいけないのか?」という問いに対し、理屈ではなく、「かわいそうだから」や「残酷だから」という感情で発言しているともいえるだろう。

 

しかし「感情」だからといって、彼らの気持ちを無視していいとも限らない。

 

例えば中国や韓国で行われている「犬食」については、日本人の中にも「残酷だ」「かわいそう」と思い、「やめてほしい」と願う人が大勢いる。実はこの気持ちも理屈ではなく、感情から来ていると言えるだろう。

 

一方、犬を食べる中国や韓国の一部の人たちは「食文化に文句を言われる覚えはない」と反発。彼らも「残酷だから、やめてほしい」という願いに対して、「食文化」を盾に、耳を傾けようとはしない。

 

捕鯨に関しても、同じ構図が見てとれる。しかし、もし海外の人たちがクジラに対して、犬に同情する日本人と同じ気持ちで訴えていたとしたら…。それでも日本人は「犬食」をする人と同じように、「食文化だから文句を言うな」と言うべきだろうか。

 

世界で「やめてほしい」と心から訴える人がいるのなら、その言葉に耳を傾け、気持ちを理解することが、意見の違いを埋め、歩み寄るきっかけになるのかもしれない。

 

Facebook/Humane Society International

日本人がクジラを捕る背景とは?

 

そもそも国民のほとんどが食べなくなったクジラを、なぜ日本は再び捕獲しようとするのだろうか。BBCでは数年前に「日本とクジラ なぜ日本は捕鯨をするのか」という記事を掲載している。

 

ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ氏が書いたこの記事では、政府の高官も「クジラ肉に対する商業的な需要もない」と認めており、「南極海の捕鯨は日本文化の一部ではない」という発言を紹介。

 

その上で日本の捕鯨は政府が行っており、研究予算や毎年の計画、出世や年金がかかった官僚の大きな構造が作り上げられているとも伝えている。

 

また政治家も捕鯨とつながりのある自分の選挙区で、議席を守るために商業捕鯨を約束しているという。

 

BBCの記事は詳しく書かれているので、是非参考にしていただきたい。(了)

 

 

出典元:NHK:IWCから脱退表明 商業捕鯨再開へ(12/26)

出典元:BBC:Japan whale hunting: Commercial whaling to restart in July(12/26)

出典元:BBC JAPAN:日本とクジラ なぜ日本は捕鯨をするのか(2016/2/9)

出典元:BBC Facebook

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