インターセックスの人々が「第3の性」を選べる、新たな法律が独で施行される
ドイツで新たな法律が施行され、インターセックスの人々が第3の性を選択できるようになった。
公の書類に「第3の性」のカテゴリー
インターセックスとは、生物学上(肉体的に)男性または女性の定義に収まらない人を指す。
例えば見た目も女性で、男性器もなく、自らも女性と考えているが、卵巣や子宮がなく、精巣があるなどの状態を指すと言われている。
ドイツでは昨年12月に新たな法律が可決され、インターセックスの人々のため公の書類に第3の性である「diverse(多様な、さまざまな)」のカテゴリーを加えたという。
ただしインターセックスの人々が、このカテゴリーを選択する場合は、医師の証明書が必要になるそうだ。
すでに導入している国もある
しかしこの動きは決して新しいものではない。ここ数年、他の国でもインターセックスの人々への理解を促すため、すでにこのような法律が成立しているという。
昨年の6月にはオーストリア憲法裁判所が、今回のドイツと似たような法律を制定。
さらにオーストラリアやニュージーランド、マルタ共和国、インド、カナダもインターセックスの人々が直面している問題を正すための手段を議会で可決しているそうだ。
世界の1.7%がインターセックス
国連によれば、世界人口の1.7%の人々がインターセックスの特性を持っており、これは「赤毛の人」と同じ割合だという。
しかしこれまで多くのインターセックスの人々は法律的な差別に直面し、手術を余儀なくされる場合もあったようだ。
ドイツでは2013年にインターセックスの人が自由に男か女を選べるようになったが、女性として登録した人が染色体のテストを受けた結果、どの性でもないと確認されることに。
このため2017年には最高裁が人々の性を否認することは差別だと判決を下し、ドイツ議会が先月、第3の性を設ける法律を可決し、今回1月1日から施行されることとなった。
ただし活動家によればまだまだ第一歩とも言えず、医師の証明書を必要とすることは、身体特性のないインターセックスの人々にとっては証明することがより困難になるという。(了)
出典元:BBC:Germany adopts third gender identity for intersex people(1/1)
出典元:INDEPENDENT:Germany introduces third gender for people who identify as intersex(1/1)