『ボヘミアン・ラプソディ』を中国政府が検閲、LGBT+シーンを全面カット
イギリスのロックバンド、クイーンの姿を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』が、中国政府による検閲を受け、先週末にかけて同国内で公開された。
カットされたのは合計で4分間
オーストラリアのメディアABCによれば、映画が公開されたとはいえ、上映する映画館の数は限られ、カットされた部分は合計で4分間に及ぶという。
まずフレディ・マーキュリーが当時の恋人、Mary Austinに自分がバイセクシャルであることを告白するシーンは全面カット。このため観客は、なぜその後2人が別れたのか分からなかったそうだ。
またフレディと長い間パートナーだったJim Huttonとのシーンもほとんどがカットされ、終わりのクレジットで映し出される実際の2人の写真も削除された。
さらに1984年のシングル「I Want to Break Free」のミュージックビデオで、メンバーが女性の服装をする場面もカットされたという。
Never stop believing in yourself, darlings. #BohemianRhapsody pic.twitter.com/dRhReNJVPw
— Bohemian Rhapsody (@BoRhapMovie) February 26, 2019
Be a part of the movie event that’s rocking the world. Sing along to Bohemian Rhapsody now in select theaters! pic.twitter.com/4fOrGkO4Zn
— Bohemian Rhapsody (@BoRhapMovie) January 11, 2019
関係をメディアで描写するのは禁止
クイーンの大ファンで、オリジナルを見比べたFeili Xieさん(28)は、メディアの取材に対し次のように述べている。
「これは明らかに、ひどく文脈から離れてしまっています。映画にある多くのシーンが全く意味を成さない。この映画全体は、フレディがどんな人間かを観客に語りかけるものだった。セクシャリティは彼のアイデンティティの重要な要素だが、それらが完全に削除されてしまった」
そもそも中国ではホモセクシャルであることで、法律によって罰せられることはない。しかしホモセクシャルな関係をメディアで描写することは、いまだに許されていないという。
そのため今回、中国でこの映画が上映されたことは、LGBT+コミュニティにとっての勝利だと呼ぶ人がいるそうだが、同時に「そのような見方は、危険だ」と警鐘を鳴らす人もいるそうだ。(了)
出典元:INDEPENDENT:Bohemian Rhapsody released in China with all LGBT+ references cut(3/25)
出典元:ABC Net:Bohemian Rhapsody premieres in China — but without any references to Freddie Mercury’s homosexuality(3/25)