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ISISの家族を収容したキャンプで警備兵が刺される事件が発生、支援ワーカーも被害に

ISISの家族を収容したキャンプで警備兵が刺される事件が発生、支援ワーカーも被害に
UNICEF

ISIS戦闘員の妻や子供たちが収容されているシリアのキャンプで、警備兵などが襲われる事件が続いているという。

 

警備兵が刺される事件が数回発生

 

今年3月、アメリカ軍の支援を受けたシリア民主軍が、ISIS最後の拠点を占領し、勝利宣言を行った。

 

これによりISISのカリフ制国家が事実上崩壊したのだが、以来クルド人部隊が管理する「Al-Hol キャンプ」にはISIS戦闘員の妻や子供らを中心に7万人が収容されることになったという。

 

そのキャンプでは彼女らへの支援が行われているが、以前から警備しているクルド治安部隊「アサイシュ」の兵士らが刺されたり、支援ワーカーが暴力を振るわれたりしてきたそうだ。

 

ISIS戦闘員の未亡人であるUmm Suhaibさんによれば、これまでに2、3回も「アサイシュ」の警備兵らが刺されており、それらの事件の背後には、ISISに加わるためにシリアにやってきた女戦闘員、「Muhajirat」の存在があるという。

 

彼女たちは自分らの子供たちに命じて、守衛などを襲わせており、このためクルド当局は、ISIS戦闘員の妻や子供たちが、もしリハビリや再教育しないまま、社会の中に再び溶け込むことになれば、彼らが未来のテロリストになりうると警告している。

 

不満を持ち、未だに敵対視する女性たち

 

一方で、イラク出身で3人の子供の母親であるSuhaibさんは、「アサイシュ」の兵士が夜中に彼女らの仲間のテントを襲っているとして非難。

 

また収容された別の女性も、乏しい医療体制や支援の不足、高温状態のテントなどに不満を募らせているそうだ。

 

このため治安部隊のリーダーであるAmer Ali氏も、「キャンプ内にいる女性たちがわれわれを敵とみなしており、彼女らの何人かはキャンプから逃亡しようとまでした」と語っている。

 

また7月の始めには、あるビデオがSNSにシェアされ、そこにはキャンプ内の電柱にISISの旗が掲げられ、周りで女性たちが叫び、子供たちが「神は偉大なり!」と唱える姿も映っていたという。その上で、Ali氏は次のように語っている。

 

「ISISは彼らのイデオロギーを、女性を通して広めたいと考えていたため、女性らは自分の子供らに父親を見習うよう促しているのです。子供たちは私たちに石を投げつけます。なぜなら母親たちが子供らに『あいつらが父親を殺し、家も破壊した』と教えているからです」

 

このため治安部隊は、キャンプ内の子供たちを将来再びテロリストになりうる「時限爆弾」として捉えており、世界にこの危険性を除去する必要性を訴えている。またISISを支援してきた女性らも、いまだに彼らのイデオロギーに寄り添ったままだとしている。

 

「屈辱の生活より、死の方が価値がある」

 

実際、先ほどの未亡人、Suhaibさんも、すでにイラク人の家族とはもう3年近く会っていないが、実家に戻りたいとは考えておらず、唯一の願いは「カリフ制国家」に戻ることだと語っている。

 

また収容されているUmm Abdelazizさん(20)も、「Al-Hol キャンプ」にいるぐらいなら死んだほうがいいとし、次のように述べている。

 

「私たちにとって死は、この屈辱に満ちた暮らしに比べれば、より価値のあることなんです。Baghouz(ISIS最後の拠点)では、私たちは豊かに暮らしていました。お金も持っていました。しかしここで、私たちは地獄の炎で焼かれているのです」

 

キャンプを管理するクルド当局も出来る限りのことをしていると語っているが、今後世界からの支援が必要になってくるのかもしれない。(了)

 

 

出典元:MailOnline:Aid workers are stoned and guards stabbed by wives and children of ISIS fighters at Syrian refugee camp(7/29)

出典元:METRO:Isis widows stone aid workers at Syrian camp where terror threat lingers(7/29)

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