【新型コロナウイルス】湖北省から船を使い逃げる人々、封鎖の現状とは?
新型コロナウイルスにより封鎖された湖北省から、逃げようとする人々の動画がネット上で公開されている。
小舟で逃げようとする人々
その動画をツイッターに投稿したのは、オーストラリア在住の中国人アーティストである「Badiucao(ユーザー名)」さんだ。
彼によれば、この動画はメッセージアプリの「テレグラム」によって入手したもので、映っている場所は、湖南省との境にある湖北省の公安県付近だという。
動画には川のような場所で小舟に乗っている人が映っており、彼らは封鎖された湖北省から隣接する湖南省へと逃げようとしているそうだ。
しかし湖南省側の土手には、制服を着た警察の人間がおり、逃げようとする人々を追い返す様子が映っている。
People flee to Hunan via boats from Hubei #coronavirus quarantine zone. Police r trying to stop them from the opposite side.
Hubei people are refugee in their own country.
lockdown is essential to virus control,but without supply & transparency, panic!pic.twitter.com/qwBNBVOL75— 巴丢草 Badiucao (@badiucao) January 28, 2020
中国政府は封鎖のために準備をしていたのか?
「Badiucao」さんはこの動画について、英紙「METRO」に対して、次のように語っている。
「湖北省の人々は今や、自国内で難民になっているのです。封鎖はウイルスを制御するためのものです。しかし十分な食料や備品もなく、情報の透明性もありません。隔離は単に、絶望とパニックを引き起こすでしょう。私には中国政府が、人々の必要としているものを準備していたとは思えません。そのため、このビデオのように悲しく、バカバカしいことを引き起こしているのです」
実際、封鎖されている街で暮らす人は、持病が悪化して救急に連絡しても、いつもつながらないという。また肺炎の症状が出ても病院は満員で、診てもらうのに並ばなければならず、他の街にも行くことができない現状だと言われている。
人権活動家らに使われている「テレグラム」
今回の動画を入手したアプリ「テレグラム」は中国国内では禁止されているが、シークレットチャットやメッセージを暗号化できる機能がついていることから、人権活動家などの間で広く使われているという。
しかしながら「Badiucao」さんは、中国政府の検閲が厳しいために、動画のオリジナルソースを特定することは困難だと述べている。
実際、中国の共産党政権は、国内のメディアやインターネットを厳しくコントロールしており、しばしば批判の内容を検閲しているそうだ。(了)
出典元:METRO:Chinese police catch people fleeing coronavirus quarantine zone on dinghy(1/28)