学校のロッカーの隙間から、63年前の生徒が落としたポーチが見つかった
米国オハイオ州の中学校で見つかった赤いポーチ。中から出て来たのは1957年の女子生徒の学生証だった。学校はSNSで本人を探し、今月、遺族の許可を得てポーチの中身を公開した。
ロッカーと壁の隙間から
ポーチが見つかったのは2019年5月29日。その日、North Canton中学校の用務員・Chas Pyleさんは、体育館の廊下で不審な物音がするのを聴き、様子を見に行った。すると、ロッカーと壁の隙間を塞ぐ細い金属板が外れ、床に転がっていたという。
板を取り付けようとしたPyleさんは、隙間に積もった埃の中に赤いものを見つけた。取り出してみると婦人物のポーチだった。
Pyleさんはそれを学校の事務室に持って行き、数人の職員と一緒に中を開けたそうだ。すると、1957年の学生証や、アメリカンフットボールの学校対抗試合の予定表などが出てきた。
学校が建てられたのがちょうど1957年。当時はまだ、ロッカーと壁の隙間は空いており、そこにポーチが落ちたのだろうとPyleさんは考えたそうだ。
学生証にあった名前はPatti Rumfola、1960年の卒業生だった。学校がFacebookにこの事を投稿して情報を募ると、ある人物が、新聞に掲載された死亡記事を教えてくれたという。Pattiさんは2013年に死亡していた。
それから学校は、死亡記事に挙げられていた彼女の5人の子供を探しにかかった。再びFacebookで情報を募ると、運よく一人の居所が分かったとのこと。こうしてポーチとその中身は、5人の遺族のもとに返された。その後、娘さんの一人から学校に、こんな手紙が届いた。
今回のことは、私たち一同とても感謝しています。受け取ったポーチは、どこにでも居そうな活発な女子中学生の、日常を切り取ったスナップショットのようなものでした。中身を一つ一つ調べた私と妹は、「ママがこれを見たら、すごく興奮するだろうね」と言い合っています。母が生きていれば、これが出て来たことに驚き、昔の自分を思い出して微笑んだだろうと思います。
公開された中身
学校が公開したポーチの中身からは、1950年代アメリカの女子中学生の生活を垣間見ることができる。
↑ 文房具やクシだけでなく、口紅やファンデーションの入ったコンパクトもある。
↑ キリストが描かれたカメオとネックレス。
↑ 市図書館の貸出カード。
↑ 家族の写真。
学校のFacebookには、当時のPattiさん本人の写真(白黒写真を着色処理したもの)も掲載されている。今の日本の感覚からすると、とても中学生には見えない。
Many of you have asked about the story behind the lost purse. We can't possibly respond to every post and message, but…
(了)
出典元:Facebook/North Canton City Schools
出典元:CNN:A lost purse from 1957 was discovered inside a wall of an Ohio school(2/18)
出典元:UPI:Custodian finds purse lost at Ohio school in 1957(2/17)