何故か湖の半分だけが紫色に染まる、魚や鳥も大量に死亡【パラグアイ】
南米のパラグアイで、湖(もしくは沼)の半分が紫色に染まり、地元の人々を悩ませている。
湖の半分が紫色に染まる
水が変色したのは、パラグアイの街、Limpio市にある湖「Cerro Lagoon」だ。
この湖は建設された道路や土手で2つに分かれており、1つは普通の水の色のままだが、もう1つは毒々しい紫色に染まったという。
この道路や土手は、地元の工場にトラックが物資を運べるようにするために建設されたそうだ。
何百万匹の魚が死に、臭いも強烈だった
水の変色に住民が気づいたのは数カ月前。やがて鳥や多くの魚が死んだため、住民らは環境局へ行き、湖の水質を調べてもらったという。
地元の住人であるHerminia Mezaさんは、次のように語っている。
「3カ月前、ラグーンでは全ての魚が死にました。何百万匹という数です。臭いも耐えられないほどで、ハエの数にも圧倒されました。約1カ月前にはサギも死に、水が赤っぽい色に変色したのです」
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水にクロムが含まれていた
国立Multidisciplinary大学研究所の専門家であるFrancisco Ferreira氏は、サンプルを採取して調査した結果、水の中にはクロムのような重金属が含まれていたことが明らかになり、これが変色の原因だったと述べている。
クロムとは通常、革製品を作るために動物の皮をなめしていく時に使われ、ちょうどなめし革工場の「Waltrading SA」が土手に立っているという。
環境持続可能省の検査官であるRosa Morel氏は、「そこにはなめし革工場があります。これは明らかに、なめし革工場からの汚染です」と述べており、この調査結果を法務省に提出する予定だとしている。
実はMorel氏によれば、以前訪れた時に専門家が、なめし革工場からのものと思われるパイプを発見しており、処理されていない廃棄物を湖に流していたという。当局はこの工場に、廃棄物を処理する施設を建設するよう要求する予定だ。(了)
出典元:ABC News:Pollution turns one side of divided Paraguayan lagoon purple(8/6)