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酸素を求め患者の家族が懇願…インドでの新型コロナの状況とは?

酸素を求め患者の家族が懇願…インドでの新型コロナの状況とは?
Twitter/Shahid Tantray

インドで新型コロナウイルスが猛威をふるっているが、その状況についてABC Newsが詳しく伝えている。

 

酸素を求め懇願する姿も

 

現在、インドでは新型コロナの感染者が急増し、救命用の酸素も不足しているため、家族は治療を求めて、患者を病院から病院へ運んでいるが、多くはこのような努力が報われないという。

 

実際にSNSやテレビの映像には、病院の外で酸素を与えて欲しいと必死に懇願する親族の姿や、治療を待っている間に路上で亡くなった身内のために嘆き悲しむ家族の様子が映っているそうだ。

 

ある男性(50歳)は、2つの病院から拒否され、3つ目の病院で診察を待っている間に酸素ボンベの残量が無くなり、代わりのボンベも手に入らなかったため、喘ぎながら亡くなったという。この男性の姉は、インドのモディ首相を非難、「彼は全ての家に葬式用の火を灯した」と述べている。

 

感染が疑われる死者はカウントされていない

 

モディ首相は以前、新型コロナのパンデミックに勝利したと宣言したが、その後感染者が急増。さらに新しい変異株によって拍車がかけられ、25日には4日連続で、一日の新規感染者数の世界的な記録を更新している。

 

この日は1日の新規感染者が34万9691人も確認され、保健省の発表によれば、過去24時間で2767人が亡くなり、これまでの累計死者数は19万2311人になったという。

 

しかし感染の疑いのある症例は含まれていないことや、COVID-19による死亡の多くが基礎疾患に起因するものであることから、この死者数は大幅に過小評価されている可能性がある。

 

「ウイルスが人々を飲み込んでいく」

 

実際にBhopal市の「Bhadbhada Vishram Ghat火葬場」で働く職員によれば、4月24日には110人以上の死者を火葬したが、政府の公式発表では、死者がわずか10名になっていたという。

 

このような状況のため、首都ニューデリーの埋葬場所も不足しており、中心都市のBhopal市では火葬場のキャパシティを増やし、火葬壇が数十個から50以上になった所もあるそうだ。職員のMamtesh Sharmaさんは次のように述べている。

 

「ウイルスがモンスターのように市の人々を飲み込んでいます。私たちは遺体が到着したら、ただ燃やすだけです。まるで戦場の真っただ中にいるようです」

 

また病院の状況も深刻で、病床は満員。医師の診察を待つ人々が列をなし、時には道路にまで出てきて、絶望的な状況に陥っているという。

 

医療関係者は、重症患者用の病棟を増設したり、少なくなってきた酸素を確保したりするために奔走。また患者も、不足している医療機器の調達に奔走しているが、その医療機器はブラックマーケットで急激に値上がりしているそうだ。

 

モディ首相に批判が殺到

 

インドのモディ首相は1月、パンデミックに勝利したと宣言。その後、人々の気は緩み、ヒンドゥー教の祭りなども行われたという。

 

また4月17日にもモディ首相は、専門家が警告していたにも関わらず、選挙集会に出席したため、感染の拡大を加速させたのではないかという批判にさらされている。

 

インド政府は現在、酸素やその他の救命薬が不足しているため、産業界に増産を要請。と同時に、国民からの批判的な声を封じ込めようとしているとか。

 

ツイッター社が批判ツイートを非表示

 

実際、4月24日にはツイッター社が、インド政府の要請に応じて、パンデミック対応を批判する50以上のツイートを人々が閲覧できないようにしたことが明らかになった。

 

対象となったのは、モディ首相に批判的な野党の閣僚やジャーナリスト、一般のインド人のツイートだとされている。

 

ツイッター社の広報担当者によると、もし同社がコンテンツを 「特定の司法管轄権において違法である」と判断した場合、インドでのみアクセスを保留する「権限」を持っているという。

 

またツイッター社は、この措置は政府による命令に対応したもので、ツイートが保留された人々には通知したと述べている。(了)

 

 

出典元:ABC News:Virus ‘swallowing’ people in India; crematoriums overwhelmed(4/26)

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