ブラジルで新型コロナの累計死者数が50万人を突破、今後も状況は悪化か
ブラジルで新型コロナウイルスによる死者の累計が50万人を超え、犠牲者がインドを越えて、世界で2番目の多さになった。
今後もさらに厳しい事態へ
ジョンズホプキンス大学のデータでは、現時点(21日)で新型コロナによる累計の死者数が最も多いのはアメリカで60万1824人、次いでブラジルの50万1825人、インドの38万8135人となっている。(インドに関しては、死者数なども正確には把握できていないとの情報もある)
しかしブラジル保健機関「Fiocruz」は、冬の到来とワクチン接種の遅れにより、今後状況はさらに厳しいものになるとの見方を示している。
実際にワクチンを完全に接種(2回接種)した人は、成人の15%に過ぎないという。また南半球のブラジルでは、今後数週間で冬が訪れるそうだ。
1日の新規感染が7万人
ブラジルでのアウトブレイクは、最初にアマゾンで確認された、より感染しやすい変異株「ガンマ」によって発生したと考えられている。
また先週は1日の新規感染者が平均で7万人確認されたという。
またほとんどの州では、集中治療室の占有率が80%を超えており、専門家も冬になり、より感染しやすくなることを心配しているそうだ。
議会が政府のコロナ対応を調査
ブラジルでの7日間平均の死者数は3月以来、1日1500人を超えており、ワクチン接種の進捗状況の遅れにより、今後更に犠牲者が増えるとみられている。
ブラジルのボルソナロ大統領は、いまだにソーシャル・ディスタンスなどの対策を推奨することを拒否し、そんな状況の中で感染が広がり続けているという。
また大統領は、国としての協力的な政策を打ち出さず、ワクチンや隔離、マスク着用の義務に懐疑的であり、それらを緩和することを求めているそうだ。
現在、議会は政府のコロナ対応について調査を進めており、野党も大統領がパンデミックを軽視し、政治的な目的でワクチン購入を遅らせたとして批判している。
また国民の間でも批判が強まっており、6月19日にはデモ行進がリオデジャネイロや、26の州のうち少なくとも22の州と、ブラジリアの連邦区街で行われたという。
リオデジャネイロでは、デモに数千人が参加。「ボルソナロを追い出せ!」などと書かれた旗や、「500,000人の死。ボルソナロのせいだ」と書かれたポスターも掲げられたそうだ。(了)
As #Brazil passes 500,000 deaths from #COVID19 anger has erupted over President Jair Bolsonaro's handling of the pandemic.
In downtown Rio de Janeiro, thousands gathered & waved flags with slogans such as "Get out Bolsonaro. Govt of hunger & unemployment."https://t.co/zuTdzHHydU pic.twitter.com/0VxwW4OjpY— Fiona Bateman (@feebateman) June 21, 2021
出典元:BBC:Covid: Brazil hits 500,000 deaths amid ‘critical’ situation(6/19)
出典元:AP:As Brazil tops 500,000 deaths, protests against president(6/20)