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地球温暖化により新たな感染症が増加する可能性、科学者が警鐘を鳴らす

地球温暖化により新たな感染症が増加する可能性、科学者が警鐘を鳴らす
flickr_Noel Reynolds

今後、地球温暖化によって人間や動物などの種を越えた感染症が増加する可能性があるとする研究結果が、雑誌「Nature」で発表された。

 

交流のなかった種の間でウイルス共有

 

その研究結果によれば、地球の気温が上昇し続けるにつれて、多くの動物種が新しい環境に移動し、寄生虫や病原体を持ち出し、これまで交流のなかった種の間でウイルスの共有が促進される可能性があるという。

 

このような促進は、野生動物からヒトへの病原体の伝播である「人獣共通感染症(zoonotic spillover)」を助長する可能性があるそうだ。

 

このため研究者らは、今後数十年の間に、種を超えたウイルス感染の数が著しく増加し、その結果、新型コロナウイルスなどの感染症が他の動物や人間にさらなるリスクをもたらすと考えている。

 

今回の研究結果は、4月28日に「Nature」誌に発表された。

 

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1万5000件の新たなウイルス感染

 

研究者らは、パリ協定で強調されている最悪のシナリオである摂氏2度の気温上昇によって、2070年までに少なくとも1万5000件の種を越えた新たなウイルス感染が起こると予測している。

 

哺乳類種間の新たな出会いは、世界中のあらゆる場所で起こると予想されるが、特に、人獣共通感染症が多く発生する熱帯地域、例えば、熱帯アフリカや東南アジアなど、人口密度の高い地域で起こることが予想されるという。

 

これらの新規ウイルスの共有現象は、ヒトに感染する可能性が高いウイルスを保有するコウモリが主役となることが予測されるそうだ。

 

研究論文の著者らは、温暖化がすでに進行していることから、気候によって種の分散とウイルス進化のホットスポットがシフトしている可能性があるとも指摘している。

 

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「最良のケースであっても予防は不可能」

 

この研究の共同執筆者で、ジョージタウン大学の疾病生態学者であるグレゴリー・アルベリー氏は、記者会見で次のように述べている。

 

「これは(実際に)起こっていることなのです。気候変動のシナリオが最良のケースであっても予防は不可能であり、動物や人間の集団を守るための健康インフラの構築に向けた対策を講じる必要があります」

 

また研究者らは論文の中で、ウイルス監視と気候変動による種の範囲の変化の評価を組み合わせる必要性を強調している。(了)

 

出典元:ABC News:Climate change could increase risk of infectious disease transmission across species, scientists say(4/29)

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