アメリカでも変異株が拡大、新規感染者の50%以上がデルタ株
ワクチン接種が進むアメリカでの、新型コロナウイルスの変異株の状況はどうなのか?ABC Newsが伝えている。
50州でデルタ株を検出
感染力が強いとされる、インド由来のデルタ株。実はアメリカでも、この変異株が支配的になっているという。
7月6日に米疾病予防管理センター(CDC)が更新したデータでは、7月3日の時点で、新規感染者のうち51.7%からデルタ株(B.1.617.2)が検出されたことが示されている。
またデルタ株はアメリカの50州全てで検出されており、保健福祉省が全米を10の地域に分けた内の5つの地域では、デルタ株の新規感染者が50%以上を占めると推定されている。
さらに第7番目の地域、アイオワ州、カンザス州、ミズーリ州、ネブラスカ州では、デルタ株の割合が80.7%と最も高くなったそうだ。
ただしアメリカ全体の新規感染者数は低い水準を維持しており、7月8日時点で2万1000人(1月:約30万人)。死者数も7月8日で258人となり、今年1月のピーク時(4461人死亡)に比べ、大幅に低下している。(参照:ジョンズホプキンズ大学)
ワクチンを接種していない人は危険
1カ月と少し前まで、アメリカでは新規感染者のうちデルタ株の割合は、わずか3%しかなかったという。
このため専門家と同様に保健当局も、デルタ株の感染力は強く、入院するリスクが増加する可能性があり、ワクチンを全く接種していない人や、1回しか接種していない人には、危険性がより高まると警告している。
ただし現状のデータでは、2回ワクチンを接種した場合は、入院や重症化を防ぐ効果が高いと考えられている。
世界98カ国でデルタ株を検出
世界保健機関(WHO)によれば、インド由来のデルタ株が現時点で、少なくとも98カ国で確認されているという。
また7月2日、WHOのテドロス事務局長は、デルタ株がワクチン接種率の低い国や高い国でも急速に広がりつつあると指摘。
さらに変異株は常に進化し、変異し続けているため、絶えず評価し、公衆衛生対応を慎重に調整する必要があると述べている。(了)
出典元:ABC News:Delta now dominant coronavirus variant in the US, CDC says(7/7)