WHO、さらに強力な変異株が出現する可能性があると警告
世界保健機関(WHO)が将来、より危険な新しい変異株が出現する可能性が高まっていると、警告している。
「デルタ株」を111カ国で確認
WHOのCOVID-19緊急委員会・委員長のDidier Houssin教授は、世界中で新型コロナウイルスの感染者が増加しているとして、「このパンデミックはまだ、終わるどころではない」と述べた。
実際にアフリカでは、7月4日までの7日間で、新型コロナの患者数が、第2波のピークを越えており、先週の死者も40%急増しているそうだ。
さらにインド由来の「デルタ株」はすでに111カ国で確認されており、アメリカでも新規感染者の約60%が「デルタ株」によるものだと言われている。
ワクチン接種率は世界人口の25%
そもそもSARS-CoV-2ウイルスは、パンデミックが始まった時には1種類のウイルスしか存在しなかったが、世界中に広がるにつれ突然変異し、何千もの新しいバージョンが生まれたという。
その中にはオリジナルである武漢由来のウイルスよりも感染力の強いものもあり、現在はインド由来の「デルタ株」やイギリス由来の「アルファ株」など4つの「懸念すべき変異株」が問題となっている。
その上でWHOは、ウイルスが拡散し続ければ、新しい変異株が現れるかもしれず、よりコントロールすることが難しくなる可能性があると警告した。
またワクチンが感染を食い止めるツールの1つだが、世界的に見れば供給が十分ではなく、まだ世界人口の25.8%しか1回目の接種を終えていないという。
その上でWHOは、現在緊急用に承認されているすべてのワクチンを活用することの重要性を強調し、2021年9月までに全ての国の人口の少なくとも10%にワクチンを接種するよう行動を呼びかけた。
またWHOのテドロス事務局長も先々週、世界で4週間連続して患者数が増加したことを受けて、「ウイルスは進化し続けており、その結果、より感染しやすい変異株になる」と述べている。(了)
出典元:ABC News:WHO warns of ‘strong likelihood’ of new, possibly more dangerous variants(7/16)