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オミクロン株は過去の感染で得た抗体から逃れる?再感染のリスクが高まる可能性

オミクロン株は過去の感染で得た抗体から逃れる?再感染のリスクが高まる可能性
flickr_NIAID

世界が注目している新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」。この変異株が、過去の感染で得た抗体をすり抜ける可能性があるとする研究結果が発表された。

 

再感染のリスクが2.4倍

 

この研究結果は、南アフリカ国立感染症研究所(NICD)が発表したもので、彼らは2020年3月から南アフリカ全土で確認された約280万件の症例を調べたという。

 

その結果、3万5670人の再感染が明らかになったが、変異株の「ベータ株」と「デルタ株」では、中国の武漢で発生したウイルスの最初の株よりも再感染のリスクが低いことが示唆されたという。

 

しかし感染の第1波と比較すると、「オミクロン株」では再感染のリスクが2.4倍になると、研究者は論文で述べている。ただし今回の研究論文に関しては、まだ研究仲間による査読が行われていない。

 

新たな「波」を引き起こす可能性

 

研究者らは論文において次のように述べている。

 

「私たちは、再感染のリスクの実質的かつ継続的な増加の証拠を発見しました。再感染は、南アフリカでオミクロン株が出現した時期と、タイミング的に一致します。そのことは選択上の優位性(selection advantage)が、少なくとも部分的には、以前感染した人にも感染させる能力が増加することによって、もたらされていることを示唆しています」

 

つまり研究者は、「オミクロン株」が過去に新型コロナに感染した人の抗体を回避(すり抜ける)する能力を「かなり」持っていると考えているという。

 

このため高い抗体価を持っている人の間でも、新たな感染の大きな波を引き起こす可能性もあるそうだ。

 

ただワクチンの効果については分かっておらず、論文においても「オミクロン株がワクチンによる免疫を回避することができるかどうか、感染に対する免疫の低下がどのような影響を及ぼすかについて、緊急の課題として残されている」と書かれている。

 

米国立衛生研究所の研究によると、COVIDワクチンによって作られた抗体は、自然免疫によって作られた抗体よりも、ウイルスのスパイクタンパク質の変異を認識する可能性が高いという。

 

つまり、完全にワクチンを接種して免疫力を高めた人であれば、「オミクロン株」の感染を免れることができるかもしれないが、それを確かめるには数週間の時間がかかるともいわれている。

 

患者の症状が「極めて軽い」

 

一方で「オミクロン株」を発見した南アフリカの医師は、自国での患者の症状が「極めて軽い」と明らかにしている。

 

また南アフリカ政府のコロナウイルス・ワクチン委員会の委員長であるBarry Schoub氏も「我々の病院での調査では、若干の(患者数の)増加が見られますが、確かにこれまでの感染の波で見られたような劇的なものではありません」と述べている。

 

イギリスでは、この変異株への懸念から、来年1月末までに対象者全員にブースター接種を行うようプログラムを加速させていくという。(了)

 

 

出典元:METRO:Omicron ‘can evade immunity from previous infection and could spark major new wave’(12/2)

出典元:Sky News:COVID-19: Omicron has ‘substantial’ ability to evade immunity from previous coronavirus infection(12/2)

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