「有害な情報を氾濫させている」ノーベル平和賞のMaria Ressa氏がSNSを猛烈批判
12月10日、ノーベル平和賞が発表されたが、受賞者の1人、Maria Ressa氏はスピーチでSNS企業を痛烈に批判した。
Facebookなどを痛烈に批判
今年のノーベル平和賞は、フィリピンの女性ジャーナリストであるMaria Ressa氏(58)と、ロシアの新聞「ノヴァヤ・ガゼータ」の編集者であるDmitry Muratov氏(60)、2人に贈られた。
2人は「表現の自由」を守るために戦ってきたことが評価され、今回ノルウェーの首都・オスロで行われた授賞式にも出席。それぞれ受賞スピーチを行ったという。
Watch the very moment Maria Ressa (@mariaressa) and Dmitry Muratov received their #NobelPeacePrize diplomas and medals.#NobelPrize pic.twitter.com/tYbf2aSlEM
— The Nobel Prize (@NobelPrize) December 10, 2021
“Every day, I live with the real threat of spending the rest of my life in jail just because I’m a journalist. When I go home, I have no idea what the future holds, but it’s worth the risk.”
– 2021 peace laureate Maria Ressa (@mariaressa) in her #NobelPrize lecture. pic.twitter.com/tTFhnLZdSC
— The Nobel Prize (@NobelPrize) December 10, 2021
ニュースサイト「Rappler」の共同創設者であるRessa氏は、そのスピーチにおいて、FacebookなどのSNS企業を痛烈に批判した。
「神のような力」で分断を招いている
Ressa氏は、テクノロジー企業が「嘘のウイルスを私たち一人一人に感染させている」と主張。Facebookなどのサイトが憎しみを広めることで利益を得ていると非難した。
また巨大IT企業が、「事実やジャーナリストに対してバイアス(偏見)をかけている」ことや、「神のような力」を使って社会の分断を招いていることを批判。その上で次のように述べたという。
「今日、私たちが最も必要としているのは、憎しみと暴力、そして私たちの情報生態系に流れ込んでいる有害な汚物を、変えることです」
“Without facts, you can’t have truth. Without truth, you can’t have trust. Without trust, we have no shared reality, no democracy, and it becomes impossible to deal with our world’s existential problems…”
Read @mariaressa‘s full #NobelPrize lecture: https://t.co/KxbsyMt2kJ pic.twitter.com/v9qUtERFb7
— The Nobel Prize (@NobelPrize) December 10, 2021
ジャーナリストの『暗黒の時代』
一方、Muratov氏は受賞スピーチで、「ロシアではジャーナリストという職業が『暗黒の時代』を迎えている」と述べた。
また100人以上のジャーナリスト、メディア、人権擁護団体、NGOが、ロシア司法省によって「人民の敵」である「外国人エージェント」の烙印を押されたとも述べたという。
さらに彼は、ロシアでは多くのジャーナリストが職を失い、国を追われ、「普通の生活をする機会を奪われている」と訴えた。(了)
出典元:BBC:Nobel Peace Prize: Maria Ressa attacks social media ‘toxic sludge’(12/10)