NHKが伝えた新しい配達方法に、海外から「日本でしか無理!」の声
2月1日、ヤマト運輸はスマホをクルマの鍵にするデジタルキーを活用し、顧客の車のトランクや助手席などに荷物を配達する実証実験をスタートさせたと公表した。
このニュースをNHKが海外に伝えたところ、大きな反響を呼んでいる。
利便性の向上を目指した取り組み
これはKDDI、ヤマト運輸、プライム ライフ テクノロジーが共同で行うもので、トヨタ自動車からデジタルキーの提供を受けているという。配達員は専用のアプリを使って顧客の車のカギを開け、トランクなどに荷物を置いた後に再びアプリで鍵を閉めるという仕組みだ。
置き配の新しい選択肢となる車への配達。その狙いについて、ヤマト運輸は「EC市場の成長やコロナ禍による新しい生活様式の定着により、多様化するお客さまの荷物の受け取り方法に対するニーズに対応し、利便性の向上を目指します」と説明している。
海外から「日本だけ」の声
2月14日、NHKがFacebookでこの取り組みを紹介した。
この投稿は3日間で2800件を超えるリアクションと、1000件を超えるシェアを受けている。
コメントには「犯罪が少なくて、お互いを信用している日本でしか無理だね。他のどこでもできないよ!」「日本人は正直すぎる」「私の国では無理だ」「イギリスなら、荷物も車も盗まれる」など、日本ならではの取り組みだという声が上がっていた。
また、「日本のすごい田舎に住んでいるんだけど、家を数日開けていた時に荷物を家の車の助手席に置いといてもらったことがあったよ。犯罪のない社会では、こんなことが起こるんだ」との経験談も投稿されている。
実はアメリカで失敗例も
日本だけだ!と驚きの声が上がっているが、実は米Amazonは2018年にKey In-Car Deliveryとして車のトランクに荷物を届けるサービスを一部地域のプライム会員限定に提供していた。
しかし、2020年3月にサービスの受付を中止し、2021年10月にサービスを完全終了させている。サービスを利用する人が少なかったのか、トラブルがあったのか、コストの問題かは明らかにされてはいないが、あまりにも早い決断のようにも思える。
ヤマト運輸の取り組みが浸透したら、評判通り「日本でしか無理なサービス」であることが証明されるかもしれない。(了)
参考:ヤマト運輸「国内初、デジタルキーを活用し荷物を車のトランクへ配達」(2/1)
参考:CNBC「Amazon ends service that delivers packages to Prime members’ cars」(2021/10/28)